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2014年8月1日号
全日本学生柔道 前人未踏の7連覇でV20

学生柔道界の頂点に、今年も君臨!! 全日本学生優勝大会が6月28、29日に日本武道館で開催され、男子柔道部が優勝。前人未到の7連覇を達成すると同時に、最多優勝回数を20に更新した。同大会は男子が体重無差別7人制、女子は体重別5人制と3人制のトーナメントで行われる。シードで2回戦から登場した男子柔道部は、大阪産業大学に7―0と圧勝すると順調に勝ち進んだ。決勝では3年連続で日本大学と対戦。先鋒、次鋒が敗れたが、五将の渡邉勇人選手(体育学部4年)が開始わずか18秒で一本勝ち。三将のウルフ・アロン選手(同1年)、副将のベイカー茉秋選手(同2年)らが粘り強い柔道でポイントを挙げ勝利をつかんだ。上水研一朗監督(体育学部准教授)は、「選手たちの信頼関係も厚く、一丸となって本当によくやってくれた。応援していただいた多くの方に、心から感謝しています」と涙を見せていた。なお、女子柔道部は5人制に出場しベスト8。九州キャンパス男子柔道部は1回戦で岡山商科大学に敗れた。

求めるのは“究極の質”7を成し遂げた練習の秘密とは!?

佐藤宣践名誉教授や山下泰裕副学長(体育学部教授)ら歴代の監督が、学生柔道界屈指の実力を誇る名門校に育て上げてきた柔道部。2008年にバトンを受けた上水研一朗監督(体育学部准教授)は、より上を目指そうと練習時間の短縮に着手した。「他大学に比べて、練習時間は少ないほうでしょう。我々が練習に求めるのは“究極の質”。できる限り密度を濃くしています」と語る。

全体練習は週6日、2時間から2時間半。短時間だからこそ、「常に実戦と同様の高い集中力をもって稽古に臨むことができ、ケガも減ります」と上水監督は明かす。その内容も、勝つために考え抜いた結果だ。ウオーミングアップでは、武道場には少し似合わないようなヒップホップなどの音楽が大音量で流れる。多くの選手が曲を聴くことで、気持ちを切り替えて試合に入るのと同じ効果を狙っている。技の打ち込みでは、時間を3、5、7分と分ける。試合ごとに設定される時間が違うため、どんなペースでも一本を奪う攻撃力をつけるためだ。

主将の王子谷剛志選手(体育学部4年)は、「監督の練習法には、どれも大切な意味があります。部員もそれを理解しているので、稽古では常に何をすべきか考え、効率的に動きます」と話す。厳しい稽古から一転、休憩に入ると上水監督は笑顔で選手に声をかける。冗談も飛び交い、張り詰めていた空気も途端に和やかになる。

全日本の決勝、劣勢に立たされたチームで最初に勝利し、巻き返しにつなげた渡邉勇人選手(同)は、「監督からはよく“最悪の状況を想定しろ”と声をかけられます。この意識が心の底にあったので、プレッシャーの中でも自分の柔道ができました」と勝因を振り返った。

自主性を尊重し、目指すは団体2冠

全体練習は短いが、選手はまだまだ道場から離れない。「これから個別の課題に取り組みます。体調に合わせて好きなメニューを組みますが、ここで差がついてしまうので誰もが必死」とベイカー茉秋選手(同2年)。立技や寝技の特訓、武道館地下のトレーニングルームで汗を流す選手の姿も。ひと足早く寮に戻り、ひたすら柔道のビデオを見て研究する選手もいるそうだ。

「選手たちは日本一のチームの一員であることを、強く意識しています。だからこそ彼らの自主性を尊重し、練習後の過ごし方はそれぞれの考えに委ねています」と上水監督。「真に強い、自立した選手は自分に合った調整法を持っているもの。これは稽古で培うしかありません。日々の指導はその手助けなんですよ(笑)」

チームが次の目標に掲げるのは、10月25、26日の全日本学生体重別団体優勝大会での王座奪還だ。「昨年は決勝で敗れてしまった。今年はなんとしても団体戦2冠を達成したい」と選手たち。1 1 2 人の部員は日々、高みへと登り続けている。

 
(写真上より)
▽快挙達成に上水監督が宙を舞った
▽技のかけ方と練習の意義を丁寧に解説する上水監督
▽通称“3人打ち込み”練習。王子谷主将が2人に対して技をかけ、一本を取りきる力を磨く