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付属諸学校

2014/09/01

学園オリンピック夏季セミナー

全国から集った仲間と協力
学びの楽しさに触れた6日間


学校法人東海大学が付属中高生を対象に毎年実施している学園オリンピック夏季セミナーが7月31日から8月5日まで、群馬県・東海大学嬬恋高原研修センターで開催された。1次審査を経て選抜された計158人が7部門に参加。五感で学ぶ多彩なプログラムに挑戦した。

全国から集まった仲間と寝食をともにしながら、協力して互いの才能を伸ばそう―。夏季セミナーでは、楽しみながら学びを深められるよう、学園の各教育機関の教員が練り上げたさまざまなプログラムが実施された。中島魁さん(付属相模高校1年・英語部門)は、「勉強合宿かと思ったら全然違う。最初は緊張したけれど、すぐに友達もできて毎日が楽しいです。勇気を出して挑戦することの大切さを教えてもらいました」と笑う。

英語部門では、4グループに分かれて「オズの魔法使い」のワンシーンを再現する英語劇作りに挑戦。生徒たちは英語でアイデアを出し合いながら小道具作りやせりふ合わせをし、最後に仲間たちの前で披露した。3回目の参加となった川添謙さん(付属熊本星翔高校3年)は、「毎回発見があるし、終了後にはコミュニケーション力や語彙力の向上を実感できる。参加することで教科に対する見方が変わり、前向きに取り組めるようになった」と話す。

正解のない課題に挑み、考える力を養う

このほかの部門でも、未解決の問題や正解のない課題に挑むプログラムを展開。知的財産部門では、生卵を入れて5メートルの高さから落としても割れない保護材作りに紙とテープだけで挑戦。芸術(造形)部門では、厚紙を使って高くかつ1キロ程度の重りを支えられるタワーを制作した。

また数学部門では、多角形の未解決問題に挑み、ディベート部門では外国人労働者の受け入れ拡大の是非をテーマに、即席チームで議論を展開していった。数学部門の板井昌典教授(理学部)は「教え合って課題に挑むことで、勉強の面白さを実感しつつ物事の考え方やコミュニケーション力も養えるようプログラムを工夫した」と話す。芸術(造形)部門の森本忠夫准教授(教養学部)は、「社会では限られた時間で答えを見つける力が求められる。その疑似体験にもなったと思う」と語る。

社会で役立つスキルを身につける

最初は「どこから手をつけたらいいのかわからない」と悩んでいた各部門の生徒たちだったが、知恵を絞りながら課題に取り組んだ。「考え続けていると、思わぬ発想も出てきて楽しくなってくる。一つの課題でも多くの解決方法があり、数学って面白いのだとあらためて感じています」と芦田知佳さん(付属第四高校2年・数学部門)。設楽暁さん(山形高校1年・ディベート部門)は「多くの人と議論しながら立論することの大切さを知りました。こうしたスキルは、社会に出てからもきっと役立つと思う」と、それぞれに手応えを得た様子だ。

5日目の夜には部門ごとに成果を発表。多くの生徒たちが、「参加したことで全国に仲間ができた。今年参加できなかった人や後輩たちにも夏季セミナーの魅力を伝えたい」と語りながら家路についた。

(写真上から)
▽【理科部門】実験道具を一から作り、土石流が発生するメカニズムを確かめる実験に取り組む
▽【芸術(造形)部門】限られた時間の中で工夫を凝らしたタワーを作る
▽【数学部門】話し合いを重ねて未解決問題に挑む生徒たち
▽【ディベート部門】考え抜いた立論を戦わせる

 
【国語部門20周年】文章を読み解き、表現する力を培う

1995年に始まった夏季セミナー国語部門が、今年度で20回の節目を迎えた。部門の立ち上げを担った辻原登教授(文学部)は、「文章を読み自らの考えを表現する力は、専門分野にかかわらず社会で活躍するうえで大切なもの。そうした能力を養う場にしたいと考えた」と話す。同部門にはこれまで、延べ400人あまりが参加。その中から、医師やエンジニア、ライターなど幅広い分野で活躍する人材を輩出してきた。辻原教授は、「今後は文学界で活躍する人も出てくるのでは」と期待を寄せる。

今回は23人が参加。初日にセミナーでの目標発表やゲームを通して交流を深めた後、嬬恋高原研修センター周辺を散策しながら俳句を作る「嬬恋吟行」などを実施。文学部の教員らが文学の成り立ちや文字の歴史、文章の作り方を講義する「創作会議」も行われた=写真は辻原教授の講義。

5回目の参加となる海田和果(のどか)さん(付属相模高校3年)は、「参加者同士の感性がぶつかり合い化学反応が起きるのがこのセミナー。私自身、文章を書く楽しさをここで学んだ」と語る。4回目の海老優之介さん(付属高輪台高校3年)は、「文学との向き合い方が一つではないことを教えてくれた場所。先生方の講義も刺激的で、毎回楽しみにしている」と話す。辻原教授は、「教員も選りすぐりのプログラムを用意して待っています。楽しい嬬恋のセミナーに、ぜひいらっしゃい」と呼びかけている。
KeyWord 学園オリンピック
学校法人東海大学が学園の中高生を対象に、若い才能の早期発見と成長支援などを目的に実施している。1964年にスポーツ大会として始まった。夏季セミナーは国語、数学、理科、英語、芸術(造形)、知的財産、ディベートの7部門。芸術(音楽)部門は5月に湘南校舎で実施。

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