News:学生
2014年10月1日号
東海大学学生ロケットプロジェクト
高度2403メートルに到達!!
学生ロケットの新記録


仲間たちと作り上げたロケットを大空に、高く高く打ち上げたい―。チャレンジセンター「東海大学学生ロケットプロジェクト」(TSRP)が8月15日から22日まで、秋田県能代市で開催された「第10回能代宇宙イベント」に出場。“海打ち”を見事に成功させ、学生新記録となる高度2403メートルを達成した。

学生の手による独自のハイブリッドロケット開発に取り組むTSRPは、設立当時から陸上での打ち上げを行ってきた。約5年前からは、より高くロケットを打ち上げることを目指し、機体の落下地点の安全を確保しやすい海上に打ち上げる牾ぢ任〞に力を入れている。「昨年の第9回は海、陸ともに、打ち上げまではうまくいったのですが……」とプロジェクトマネジャーの植松千春さん(工学部3年)はうつむく。ロケットは落下する際にパラシュートを開いて落下の衝撃を抑え、損傷を最小限にする。しかしTSRPのロケットは、2機ともそれが開かずに砕けてしまい、機体に記録された貴重なデータの回収ができなかった。「第1回から毎年挑んできたこのイベントに、メンバーは強い思い入れがあります。悔しい気持ちを抑え、機体の破片を一つひとつ丁寧に拾い集めました」

悔しさバネに最高の結果残す
学生代表を務める坂野文菜さん(工学部4年)は、「なんとしても10回の節目に結果を残し、応援してくださった方に恩返しをしたかった」と振り返る。わずかに残った情報から、パラシュートが開かなかった原因が重力を感知するセンサーにあることを特定。改良を加えるとともに、目標を高度2100メートルに設定した。これは、TSRPの持つ最高記録よりも800メートルほど高いものだったが、原動機の大型化や、効率的な排熱システムの開発ができ、メンバーは「達成できる」と自信を深めていった。

連日、遅くまでの作業を経て生み出された機体「H―34」は8月21日早朝、同市内の落合浜海水浴場跡地からの“海打ち”で大記録を達成。パラシュートも無事開き、ほぼ無傷で回収された。“陸打ち”用の「H―35」も16日、能代宇宙広場から打ち上げ、160メートルの記録を残し、無事着陸。昨年からこのイベントに新設され、記録高度やマネジメント能力などを審査し、最も優れたチームに贈られる「MHIアワード2014」を、“海打ち”“陸打ち”の2部門で受賞した。また、10回連続出場を記念し、同イベントの第1回に打ち上げた「H―5」を復元。17日にエキシビションとして打ち上げ、会場を盛り上げた。

メンバーは、「指導していただいている大学の先生方、先輩、イベントにご協力いただいている能代の方々の支えがなければ、ここまでくることはできませんでした。感謝の気持ちを胸に、次は高度10キロを目指します」と新たな夢ヘ走り始めている。

(写真上)学生の夢を乗せたH-34が大空へ
(写真下)打ち上げの直前まで機体を調整

 
ポスター展でも最優秀賞!

8月7日から15日まで、能代エナジアムパークで行われた「能代宇宙イベント市民ポスター展」にも出品。来場者の投票によって決まる最優秀賞を受賞した。


(写真)同イベント第1回で打ち上げた“H-5”をメインビジュアルにデザイン