News:総合
2015年1月1日号
教育・研究の可能性を探る
To−Collabo
熊本で中間報告会地域連携を幅広く議論


大学の知を生かして地域特有の課題や全国共通の問題解決を目指す―。「To-Collaboプログラムによる全国連動型地域連携の提案」が展開する2014年度「地域志向教育研究経費」の採択を受けた課題の中間報告会が、昨年11月22日に熊本校舎で開かれた。山田清志学長をはじめとする教職員や自治体、企業の担当者ら約160人が参加した。

同プログラムは、平成25年度文部科学省「地(知)の拠点整備事業」の採択を受けて東海大学が全学的に取り組んでいるもの。社会的実践力を備えた人材の育成を柱にしたパブリック・アチーブメント型教育の構築を進める一方、地域デザイン、ライフステージ・プロデュース、観光イノベーション、エコ・コンシャスの4計画8事業の趣旨に沿う教育・研究計画を全学的に募集。「地域志向教育研究経費」を支給することで活動を支援している。

第1部の報告会では、採択を受けている32課題の代表者が各研究の背景や現状、今後の計画を説明。参加者を交えた質疑応答では、住民と連携を深めるためのアイデアや、課題解決に向けた方策が話し合われた。参加者からは、「幅広い視点から議論されたことで共通の課題がより明確になり、新しい視点を得ることができた」といった感想が聞かれた。

続く第2部のシンポジウム「高等教育機関における実践型教育と情報化」では、九州大学大学院システム情報科学研究院の荒木啓二郎副研究院長(教育担当)が講演。他大学や企業と協力してソフトウェア技術者の育成を目指す「社会情報システム工学コース」の概要や成果、課題を紹介。その後、本学卒業生で熊本県教育委員会委員長の木之内均氏とチャレンジセンター主任の岡田工教授を交えて、社会的なニーズを生かした教育のあり方などが議論された。

梶井龍太郎学長補佐(To-Collabo担当)は「報告会を通して研究者間の横のネットワークが広がった。今後は学生にどう参加してもらうかが重要になってくる。各地の行政や企業の協力を仰ぎつつ、活動を活性化していきたい」と話している。

(写真上)パネルディスカッションでは、活発な議論が展開された。参加した行政関係者からは「To-Collaboプログラムの全体像を知ることができた。これからも積極的に地域の課題を提案していきたい」との声が聞かれた
(写真下)5教室に分かれ32課題を報告

 
教育支援センター×To-Collabo推進室
先進事例を参考に教育効果の評価法を考える


教職員向けの研修会(FD研修会)「地域における実践型教育プログラム(PBL+SL)の取組み〜地域活動におけるジェネリック・スキルの養成について〜」(主催=教育支援センター、To-Collabo 推進室)が、昨年12月8日に湘南校舎で開かれた。北九州市立大学地域創生学群長の眞鍋和博教授を講師に迎え、テレビ会議システムで全国8校舎と福岡短期大学に配信。約70人が参加した。

眞鍋教授は、2009年に開設された同学群の取り組みを紹介。北九州市が抱える町の美化、防犯といった課題に学生が取り組む中で社会人としての総合的なスキルを養成する教育プログラムの概要について語り、「目標設定シートや研修を通じてきめ細かく指導し、適度な距離感を保つことで自主性を引き出している」と説明した。

その後、成績評価の基準などについて活発な質疑が展開され、学生が作成する企画書の完成度や積極性を指標としていることが紹介された。参加者からは、「充実した教育の全体像を詳しく学べた。この成果を東海大に合ったカリキュラムの開発に生かしたい」といった感想が聞かれた。

(写真)地域と連携するうえでの注意点も紹介された

 
防災・減災・救援考える 高輪校舎でシンポジウム

高輪校舎で昨年12月13日に、「住民・行政・大学が協力し合う防災・減災・救援シンポジウム」が開催された。To-Collaboプログラムの一環で、自然災害に関する研究成果を共有し、被害を軽減することなどが目的。同校舎のある港区の後援を受け、地域住民ら55人が参加した。

海洋研究所地震予知研究センター長の長尾年恭教授と港区の担当者ら4人が、地震や津波といった災害への対処法や最新の研究データを発表した。続いてパネルディスカッション「学生(大学)と地域住民、行政との連携・協働をどのようにして進めるか?」も行われ、高輪教養教育センターの福稔教授ら教職員と港区、平塚市の担当者5人が登壇。地域のコミュニティーを密にし、災害時の救援活動の下地をつくる重要性について話し合った。

(写真)長尾教授が地震予知についての研究成果を発表

 
音楽、美術、工芸講座“学生気分”で楽しむ
教養学部芸術学科が昨年11月8日から29日まで、湘南校舎で「大学で学ぶ、芸術を学ぶ。東海大学芸術学科公開講座」を開催した。To-Collaboプログラムの一環で企画されたもの。

音楽講座「クラシック音楽をわかって楽しむ」、美術講座「銅版画の世界と作品制作」=写真、工芸講座「日本の美と陶芸下絵付け体験」の3講座をそれぞれ4回シリーズで開講し、校舎近隣の50歳から86歳までの25人が参加した。同学科の教職員らの指導のもと、和気あいあいとした雰囲気の中で課題や宿題に取り組んだ受講者たちは、「丁寧に教えていただき、学生気分で楽しく受講できた」と語った。

なお1月21日から24日には、小田急線・東海大学前駅南口の東海大学サテライトオフィスで、公開講座の展覧会も開催。受講者が制作した版画や陶芸作品が展示されるほか、音楽講座の様子などが映像で紹介される予定だ。