Column:Interview
2015年3月1日号
女子アスリート4年生特集
4年間の努力が結実 夢に向かって走り続ける

日本一、世界一を目指して仲間とともに日々厳しい練習に励む東海大学のアスリートたち。4年間の努力が実を結び、ラストイヤーにキラリと光る活躍を見せた3人の女子アスリートに迫った。

大好きなクルマとともに駆け抜けた大学生活
自動車部 沼田あゆり選手(工学部4年)

クルマ好きの父親の影響で興味を持ち、「運転免許も持っていなかった」が、大学入学とともに自動車部に入部。4年間、女子部員は沼田あゆり選手1人だけだったため、「周りから女の子だからという扱いを受けるのが、少し悲しかった」と振り返るが、クルマの魅力がこれまでの大きな原動力だった。

自動車部は平日の夕方に整備やクルマ作りを行い、週末に近郊のコースで走ることが多い。大会前は1時限前に朝練習を行うこともある。1年生のとき、教習所のようなコースで運転の正確さとタイムを競うフィギュに出場したが、制限時間内にゴールできず、「あれほど練習したのに……」と悔しさを味わった。 

自動車部の創部は1958年と古く、日ごろからOBが練習に顔を出しアドバイスをくれる。沼田選手はそうした先輩の力を借りながら自らも努力を重ね、知識や運転技術を高めていった。 

その成果が発揮されたのが、未舗装路のコースで走行タイムを競う昨年8月の全日本ダートトライアル選手権大会。雨が降り続く悪コンディションの中、冷静かつ積極的な走りでトップタイムをマークし、女子の部で初優勝した。「アナウンスを聞いた瞬間、思わず泣いてしまいました。チームメートが拍手してくれたのもうれしかった」 

4年間で得たものは、「人とのつながり。部の仲間や大会に集まる他大学の友人、いろいろ教えてくれる先輩方のおかげで充実した大学生活を送ることができました」と笑顔を見せる。卒業後も競技は続けたいという。「挑戦したいのはラリー。助手席でドライバーをサポートするナビゲーターに興味があります」。これからも夢に向かい、大好きなクルマとともに走り続ける。 (小野哲史)

(写真上)「今では父より運転はうまいですよ」と沼田さん
(写真下)全日本では雨が降り続く悪コンディションにも負けず初優勝
 
九州女子初のWリーグ 培った走力を生かす
九州女子バスケットボール部 荒牧寿里選手(総合経営学部4年)

バスケットボール女子日本リーグ機構(Wリーグ)のシャンソン化粧品シャンソンVマジックに入団が決まった荒牧寿里選手。1年時からチームの得点源として活躍し、4年時には全九州大学春季選手権大会で初優勝。その後、西日本学生選手権大会では創部初のベスト4に貢献した。全日本大学選手権大会には2度出場するなど、先頭に立って勝利へと導いてきた。

速攻を中心に走るバスケを展開する同部は練習も厳しく、「2年生のときは本気でやめたいと思っていた」という。しかし、創部初出場となった1月の全日本総合選手権大会(オールジャパン)を終えて引退を迎えると、「今はとてもさみしい」とポツリ。

荒牧選手がこれまで活躍してきた裏には、後輩の松本恵理奈選手(同3年)の存在がある。専修大学玉名高校時代からタッグを組み、7年間の仲になる。松本選手からのアシストパスで荒牧選手が得点を決めることも多く、数々の試合で2人のホットラインが光った。

荒牧選手が、「ずっと一緒にプレーしてきて、あの子がいるから頑張れるといってもいいくらいの大きな存在。感謝しています」と笑顔を見せれば、松本選手も、「息はバッチリ。プレー面でも精神面でも支えてもらった」と語る。

シャンソン化粧品は、オールジャパン優勝10回、Wリーグの優勝は16回にものぼる強豪だ。「ここぞの場面で出場してシュートを決め、流れを変えられるような選手になりたい」。得意のシュートと4年間で培った走力を武器に、九州女子部の先駆者となる。
(取材=盍椰雉─κ験愽3年)

(写真)“走るバスケ”の中心選手として活躍してきた荒牧選手
 

日本選手権V目指し地道な練習を続ける

ライフセービングクラブ(サーフィン) 宮野真生選手(海洋学部4年)

「サーフィンがうまい人は、努力を続けてきたから今がある。私も先輩たちを見習って練習を続け、いつか最高峰の全日本選手権で優勝したい」

宮野真生選手は、昨年6月に開かれたサーフィンの春季全日本学生選手権大会のウィメンズクラスで準優勝した。

サーフィンと出会ったのは、3年ほど前。所属するライフセービングクラブLOCOの先輩からボードを譲られたのがきっかけだった。「最初の半年はボードの上に立つこともできなかった。初めて波に乗れたとき、海の上を駆け抜けた感覚が忘れられない」と語る。

その後も静岡県牧之原市の静波海岸に通い、そこに集うサーファーや、アルバイト先に選んだサーフショップのスタッフの助言を受けて独自に練習法を考案。朝の天気予報で波の状態を確認し、練習できる日は海に入り、それ以外は自宅で体幹トレーニングを積む。DVDなどで新しい技を学ぶ日々を送っている。

「サーフィンを始めてから早起きになるなど生活リズムが変わり、勉強に取り組む姿勢も前向きになった。今ではもう生活の一部です」と笑う。夏には、波乗り体験などを通して海の楽しさを子どもたちに伝えるイベントも企画した。

「年齢を問わず長く楽しめるのがサーフィン。その魅力を多くの人に伝え、一緒に楽しむ仲間を増やしていきたい」

(写真)愛用のサーフボードとともに