News:研究
2015年4月1日号
湘南で応用物理学会春季学術講演会
科学の楽しさ伝えるイベント
ノーベル賞受賞3氏の講演も

日本最大級の学会である応用物理学会の春季学術講演会(協賛=東海大学)が3月11日から14日まで、湘南校舎で開催された。約6800人が参加した期間中には、昨年ノーベル物理学賞を受賞した赤勇終身教授(名城大学)と天野浩教授(名古屋大学)、中村修二教授(カリフォルニア大学)による講演会や、東海大学が中心となって企画したシンポジウム「かながわ発! スマートエネルギー革命」「世界一行きたい科学広場in東海大学湘南キャンパス2015」などの関連イベントも開かれた。


学術講演会では、現地実行委員長の木村英樹教授(工学部・チャレンジセンター所長)をはじめ、東海大の教職員や学生が運営を担当。その目玉となる「ノーベル物理学賞受賞記念講演会」は、13日に2号館大ホールをメーン会場に開催された。受賞後3人が国内でそろうのは今回が初めてだったこともあり、市民や学生、教職員ら約4000人が来場。付属望洋高校、付属第三高校など学園の各教育機関にもインターネットを通じて配信された。

赤教授は、受賞理由となった青色発光ダイオード(LED)研究の要となる窒化ガリウムの結晶を作り出すまでの歩みを解説。天野教授は大学生をはじめとする若手研究者に向けて、「これからの日本に大切なのは、次世代を担う人材の育成。若い人たちがこれまで以上に活躍してくれることを期待しています」と語った。中村教授は、青色LEDに関する自身の研究を振り返った。

聴講した学生は、「どの話もわかりやすく、LEDについてもっと知りたいと思った。一生忘れられない思い出ができました」と話していた。

水素や太陽光など最先端の技術を学ぶ

「かながわ発! スマートエネルギー革命」は、12日に松前記念館講堂で開かれた。太陽光発電や水素エネルギーといった「スマートエネルギー」開発の現状を学ぶ機会として東海大と1月に協定を締結した神奈川県などと企画したもので、約150人が来場した。

神奈川県産業労働局エネルギー部の松浦治美部長が、普及に向けた県の取り組みを紹介。パナソニックや日産自動車、千代田化工建設などの担当者が、太陽電池や水素エネルギーに関する最新技術を説明した。最後に、内田裕久教授(工学部)が自身の取り組んできた水素吸蔵合金の研究や愛媛県西条市と協力した実用化の取り組みを紹介。「強い意志を持って、創エネ、蓄エネ、省エネの技術を生活に取り入れていくことがエネルギー革命実現の一歩になる」と語った。

学生企画の実験教室親子連れで大盛況
14日に松前記念館講堂で開かれた科学広場には、親子連れを中心に約650人が来場した。

チャレンジセンターのプロジェクトに所属する学生や、日ごろから近隣の学校などで科学実験教室を開いている理学部や工学部の学生と教員が11ブースを用意。放射線を観察できる霧箱やスライムづくり、数学の理論を使ったマジックショーなどを巡り、真剣な顔で実験に挑む子どもたちの姿が随所で見られた。

教育研究所の滝川洋二教授によるショーでは、青色LEDを使って光の性質を学ぶ実験が行われた。来場者からは、「学校の授業で実験の機会が減っており、こうしたイベントは子どもにとって貴重な機会。来年以降も続けてほしい」との声が聞かれた。

 
(写真上から)
左から赤終身教授、天野教授、中村教授。記念講演会には、多くの学生も参加し熱心に耳を傾けていた
最新の情報や各企業の戦略が語られたシンポジウム。参加者からは「新エネルギーの可能性が感じられた」との声が寄せられた
参加した児童は「不思議なことがたくさん起きて面白かった」と目を輝かせていた