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2015年6月1日号
2峰目の滑空に成功
パラグライダーで挑む7大陸の最高峰制覇
浅野暢来さん(教養学部2年)

自らの脚で山に登り、頂上からパラグライダーで滑空する。それを世界7大陸の最高峰から成功させようと挑戦を続けている浅野暢来さん。3月にコジオスコ(オーストラリア、標高2228メートル)を制覇した。2013年9月のモンブラン(フランス、4810メートル)に続き、2峰目の成功だ。

「コジオスコは7大陸最高峰の中で最も低い山。現地に行くのもそれほど難しくはなかったですし、飛行時間も10分ほどでしたが、低い山だけにいろいろな植物が生息していてきれいでした」

高校1年の秋、登山とパラグライダー飛行とで1000キロをこえるヨーロッパアルプスを縦断する「X-ALPS」というレースをテレビで見たことがすべての始まりだった。「風に乗ると3000メートル級の山も一気に飛び越して、何十キロも距離を稼げる。ただ降りるだけだと思っていたパラグライダーの魅力が詰まっていて衝撃的でした」

その週末からパラグライダースクールに通い始め、1年ほど基礎技術を学んだ後、1人で飛べるように。「空からは普段の生活では見られない景色が広がっていました。何度も飛んでいるうちに、自分の感覚や鳥の動きを見ながら上昇気流をつかめるようになるのが面白かった」

13年8月に世界最年少で富士山頂からの飛行を成功させた浅野さんは、「パラグライダーの素晴らしさをもっと多くの人に知ってもらいたい」と、世界7大陸最高峰からの滑空という挑戦をスタートさせた。

ただ、このチャレンジには遠征や用具などさまざまな費用がかかる。これまでは両親や地元・鎌倉で立ち上がった支援会のサポートや学校法人東海大学松前重義記念基金の自己研鑚奨学金を受けたり、講演活動を行ったりして工面してきた。浅野さんはそうした周囲からの協力を、挑戦への大きなモチベーションに変えている。

次なるターゲットと考えている南米大陸のアコンカグア(アルゼンチン、6959メートル)を含め、これからの山は登るだけでも命懸けになっていく。昨年9月に挑戦したアフリカ最高峰のキリマンジャロ(タンザニア、5895メートル)も登頂は成功し天候もベストだったが、飛行許可が下りず、技術以外の面で難しさを味わった。

それでも「パラグライダーは経験のスポーツ」と話す浅野さんは、すべての経験を自らの糧にしている。過酷な挑戦ではあるが不安はないという。「世界7大陸の最高峰を制覇する自信はあります。20代のうちにすべての山で成功させたい」と、その目を輝かせている。
(小野哲史)

 
(写真)コジオスコでは自身の足とカメラをひもでつなげて上空から撮影するチャレンジも