特集:東海大生200人に聞きました
2018/06/01 「UIJターン就職」の可能性
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2018年6月1日号
「UIJターン就職」の可能性
働く地域はどこがいい?

東海大学では全国の校舎に多様な学部学科を有するメリットを生かし、首都圏以外の企業でも活躍する社会人を生み出そうと、現在全国16の道府県・政令都市と「学生UIJターン就職促進に関する協定」を締結している。どの程度の学生がUIJターン就職を考えてるのだろう。東海大生200人に聞いた。 (構成・編集部)

「UIJターン就職」=Key Word参照=は学生の所在地が基準となるため、首都圏にある湘南、代々木、高輪、伊勢原の4校舎と、清水、熊本、札幌の3校舎に分けてアンケートを実施した。

首都圏4校舎に通う学生への「UIJターン就職に興味はありますか?」の問いには、「興味はあるが詳しい内容はわからない」の回答が45%と約半数。首都圏以外での就職に否定的な声は少ないものの、「希望する仕事ができるなら場所は問わないが、地方独自の文化やマナーがあるなら知る機会がほしい」(情報通信学部3年・男子)など、生活環境を不安視する声が聞かれた。

一方、首都圏以外では、現在通っている校舎のある地域以外での就職に興味がある学生が83%と多数。場所は首都圏と地元Uターン)で2分化し、「海運業は本社が首都圏に集中しているので、UIJターン就職は考えていない」(海洋学部3年・男子)と、志望職種がはっきりしている学生もいれば、「住み慣れた地元を大人の視点で盛り上げたい」(生物学部4年・女子)と狠聾軌Ν瓩魎兇犬覦娶も。ただ、Uターンを希望する学生からは「就活のため地元に帰るたびに多額の交通費がかかる」(海洋学部4年・女子)と、金銭面での悩みが多く聞かれた。交通費を支援している自治体もあるので、地元の就職支援情報は要確認だ。

やりがいを感じる仕事や生活環境を考えたうえで、自分がどんな“働き方”をしたいかを第一に考えてみよう。※本アンケートの続編を7月1日発行号にも掲載します。

先輩に聞く!
地元のよさを再確認
鹿野郁絵さん(体育学部2016年度卒)

社会人2年目を迎える鹿野郁絵さんは、湘南校舎の体育学部出身。3年時に地元である山形県で就職するか悩んでいた際、キャリア就職センターで知ったUターン就職説明会への参加を機に地元での就職を志した。

「新幹線代が悩みでしたが、学生割引を活用したり、1週間の帰省で複数の説明会や選考に参加したりと工夫していました」

同センターと協力して東海大学山形高校が開催している「やまがた就職合同個別相談会」にも参加し、さまざまな企業の情報に触れ、最終的に東北電化工業蠅愼社。大学4年間、剣道部で稽古に励んできた鹿野さんは、「新入社員の教育体制がしっかりしていると聞いて、剣道漬けだった自分でも一から成長できると思った」と振り返る。1年目は研修で基礎を固め、仕事に必要な資格を取得。現在は先輩社員とともに電気工事の仕事に励んでいる。

「説明会や求人は想像以上に多く、自治体から実家に案内が来ることもありました。一度地元を出て、首都圏に住みながら就職活動をしたからこそ、山形にどんな企業があるか幅広く知ることができました。家族や友人がいる地元のよさも再確認できたと思います」


“最初の一歩”の踏み出し方
キャリア就職センター 水島久光所長(文化社会学部教授)

今回のアンケート結果を見て感じたのは、「UIJターン就職」という言葉と、首都圏以外の企業について情報収集する術が浸透していないということです。
 
東海大学は全国のキャンパスに全国各地から学生が来ているため、自分の就職がUIJターン就職に当てはまる場合でも自覚をしにくいという点もあるのだと思います。ただ、「首都圏に比べて平均収入が低い」「求人数が少ない」というイメージは、すべての道府県にいえることではありません。若い世代が首都圏で就職することが増え、人手不足に悩む地方企業は多いのです。

では、どうすれば自分に合った求人情報を得られるのか。就職活動をする際、学生の皆さんはまず就職情報サイトに会員登録をして、エントリーする企業を探すと思います。その際、各自治体の就職支援サイトも見てみてください。

たとえば、「〇〇県 就職支援」と検索をかけると、自治体が作成しているサイトがヒットします。地域によって多少の差はありますが、求人情報をはじめ先輩の体験談、交通費支援などの情報が掲載されています。

また、これまでキャリア就職センターでは校舎ごとに周辺地域のインターンシップ情報を主に紹介してきましたが、今後は各地域の情報を全国の校舎で紹介するなど、UIJターン就職の促進に力を入れていきます。「興味はあるけれど、どうしたらいいかわからない」と悩んでいる学生に、最初の一歩を踏み出すサポートをしていきます。


学生たちの声から
Q.「 UIJターン就職」について思うことは?
▽ UIJターン就職の説明会で具体的な就職先の例を教えてほしい(政治経済学部3年・男子)
▽ 自分が生まれ育った地域に貢献したいと思うように、学生のうちから地域にかかわっていくことが必要だと思う(医学部4年・女子)
▽他県で働くことで新たな出会いがあり、ものの見方が変わると思うので他県で働きたいと思っている(海洋学部2年・男子)
▽ 地方から都市部に就職したいという人は多いと思うが、不安が先行してしまうと思う。住み慣れない土地でのサポートがあると行きやすいのでは(農学部2年・男子)
▽ 詳しいことがわからないので知りたい(体育学部4年・女子)
▽ 売り手市場といわれる中で、東京に一極集中している。Uターン就職を促進することで地方が活性化され国内総生産も増えるのでは?(法学部3年・男子)
▽まだ2年生なので実感がないけれど、場所よりも働く内容で選びたい(海洋学部2年・男子)
▽東海大生専用の宿泊施設などがあると便利でやる気が出る(海洋学部4年・男子)
▽補助金があれば就職したい(教養学部2年・女子)
▽自分の育った場所への恩返しになるのでいいと思う(観光学部3年・女子)
 
【学生アンケート調査】●調査期間:5月7日〜20日●調査対象者:東海大学在学生(湘南校舎:135人、代々木校舎:4人、高輪校舎10人、清水校舎:12人、伊勢原校舎:15人、熊本校舎:14人、札幌校舎:10人)●調査回答数:200人●調査方法:⑴学生モニターに東海大学新聞WEB版のアンケートフォームから回答を得る⑵キャンパス内でアンケート用紙を直接配布、またはWEB版にアクセスしてもらい回答を得る