Column:Point Of View
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2019年11月1日号
確証バイアスとリフレーミング
健康学部健康マネジメント学科 古城隆雄 准教授

よくある話だが、大学教員の中には、学校の成績が悪かった先生が一定割合いる。私自身、中学・高校のころは進級が危ぶまれる成績だった。大学の成績も自慢できない。

大学生のころ、私は内心焦っていた。目につく友人たちは、何かしら熱中するものを見つけていた。サークル、アルバイト、好きな勉強、趣味、恋人、旅行……。

自分には、これといって秀でたところはないし、かといって自慢できる趣味もない、ましてや恋人なんて……。

もし、同じように思っている学生がいたら、「確証バイアス」という言葉を知っておくといい。人間は、非合理的で、視野狭窄で、感情的な生き物だ。だから、無意識に、自分の考えに沿った情報ばかりを集める傾向がある。
 
部活やアルバイト、大学、サークル、どんな場所でも輝いている人はいる。SNSやネットには、楽しそうな思い出や、自慢したいこと、映える写真が載せられている。そんなものを見ていると、自分の人生がつまらなく見えてくる。
 
でも、よく考えてほしい、東海大学生は約2.8万人、大学生は約260万人もいる。どれだけの人の学業やプライベートが充実しているのだろう? 

一見、幸せそうな人も、不安や悩みがあるものだ。むしろ不安や悩みを公言するほうが珍しい。普通は隠すものだ。だから少し悲観的、鬱屈した気持ちになったときは、確証バイアスという言葉を思い出してほしい。

そして、「リフレーミング」というすてきな言葉も知ってほしい。何事もいい面と悪い面がある。リフレーミングとは、他の視点から意識的に物事を見ることである。
 
熱中することを見つけられていない人は、それだけ思慮深い人かもしれない。学びたいことがない人は、さまざまな本を読んだり、新しい体験をしたりするチャンスだ。恋人がいない人は、恋愛で悩んでいる人を尻目に、好きなことに時間を割ける。反面教師にして、将来の恋人探しに生かせばいい。
 
東海大は緑豊かなキャンパスだ。空を見上げて、ひととき雲を眺めよう。視野狭窄から解き放たれ、リフレーミングが自然にできるだろう……。

(筆者は毎号交代します)