News:研究
2017/08/01 感染症原因菌判定の短時間化に成功
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2017年8月1日号
感染症原因菌判定の短時間化に成功
医学部・今西教授

医学部基礎医学系の今西規教授らの研究グループが、細菌感染症の原因菌のゲノムを短時間で解析し、特定する基礎技術の構築に成功。7月18日午前10時(イギリス時間)配信のオンラインジャーナル『Scientifi c Reports』に掲載された。

原因菌判定には細菌培養法が広く用いられているが、1日から2日ほどの時間を要する欠点があった。今西教授らは、約8万のバクテリアのゲノム情報が組み込まれた独自のデータベースを構築。ポータブル型DNAシーケンサー「MinION」(OxfordNanopore Technology社製)を使って分析したデータを、データベースとリアルタイムで照合できるソフトウェアを開発し、2時間以内で細菌種と系統を同定できるようにした。

また、呼吸器内科の浅野浩一郎教授の研究室から提供を受けた患者の胸水を実際に解析し、原因と考えられる菌を検出することに成功した。

今西教授は、「細菌感染症の治療は、複数の抗菌薬を用いた治療が行われているが、多剤耐性菌を生む可能性があるなどの問題があった。将来このシステムが実用化できればその抑止につながると期待しています。今後も、さまざまな感染性疾患の原因を解析するシステムの構築を目指したい」と話している。

なおこの研究は、日本医療研究開発機構の感染症研究国際展開戦略プログラムと大川情報基金平成27年度研究助成、文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業の支援を受けて実施された。

 
(写真)ポータブル型DNAシーケンサーを使った分析について語る今西教授