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2018年5月1日号
再び五輪の舞台へ
渡辺祐香選手(文学部卒・つま恋乗馬倶楽部)

人と馬とが一体となり、男性と女性が同じステージで戦う馬術競技。「趣味でやっていた両親の影響で、物心ついたときには始めていた」という渡辺祐香選手が、年間を通して日本一を争うJapan Openで好成績を残している。

渡辺選手は馬術の中で、設置された障害を制限時間内に乗馬で通過していく障害飛越競技を主戦場としている。障害の高さなどでグレードが分けられ、年間10戦で総合優勝を争うJapan Openでは、3月の第1戦でCグレード標準障害を制覇。4月の第2戦では、Cグレードの標準障害で優勝し、Bグレードの標準障害で2位に入った。 

馬術の魅力は「馬は人間と同じで個性がそれぞれ。その違いを感じながら日々、馬と接していくところ」。高校時代に全日本大会で優勝し、大学時代も馬術部に所属した。「授業の合間に、秦野の乗馬クラブまで馬にゴハンをやりに行ったことを覚えています」と笑う。

当時から日本トップクラスの実力を誇っていたが、五輪を目指したいといった思いはなく、「ただただうまくなりたかった」。そこで27歳のとき、馬術最強国ともいわれるドイツに武者修行へ。五輪金メダリストのオットー・ベッカー選手に師事し、「“自分は何が何でも目標をやり遂げる、という思いを強く持ちなさい”と言われたことが、その後の支えになった」と振り返る。

次第に実力と自信をつけた渡辺選手は、ベッカー選手からの勧めもあって五輪を目指すようになり、36歳でアテネ五輪に初出場。順位こそ39位だったものの、一度もバーを落とすことなく減点ゼロでゴールした。しかし、そこで「すべて出し尽くし、燃え尽きてしまった」ことから、大会後は新たな目標を見つけることができなかったという。

「なんとなく流れに身を任せながら」国内の競技会には出場を続け、やがて「若い馬をトレーニングすることにやりがいを見いだした」。

乗馬クラブでの調教師のような生活では、国際舞台で活躍するのが難しく、五輪はここ3大会出場していない。ただ、2年後は日本の東京で開催。渡辺選手自身、16年ぶりとなる出場に向け、「チャンスがあれば狙っていきたい」と意欲を見せている。(取材=小野哲史)

 
(写真)好成績を残し続けている渡辺選手