チャレンジセンター
熊本復興へつなげようチャレンジセンターの特別プロジェクト「熊本復興支援プロジェクト」が9月17日に、夏季休暇を利用した熊本県内での活動を終えた。湘南をはじめ、代々木、清水、伊勢原、札幌の各校舎から51人の学生が集い、今年4月の「平成28年熊本地震」で甚大な被害を受けた熊本県の復興への一助にしようというもの。
このプロジェクトは、最大震度7を記録した熊本地震を受け、県内にキャンパスを持つ大学として、全国の学生、教職員の力を結集して復興への歩みを始めている被災地に貢献しようというもの。チャレンジセンターの呼びかけに応えた学生たちは12人程度の4班に分かれ、8月21日から順番に1週間ずつ熊本県を訪問してきた。
同センターでは、学生たちの活動に先駆けて現地と調整。学生の受け入れ先として地震直後から現地でボランティアに従事してきた「チーム熊本」や一般社団法人災害教育センター「RQ九州」と連携したほか、経営学部の木之内均教授が会長を務める「木之内農園」の協力も得た(本紙9月1日号で第1班の活動を既報)。
また、8月28日から現地で活動した第2班以降は、毎週1回、熊本と阿蘇両校舎の学生も加わり、ともにボランティアに汗を流した。
多学部の学生が協力 ビニールハウスを撤去4週目の9月12日から熊本で活動した第4班は前半、全員で南阿蘇村にある木之内農園へ。地震の影響で水が出ず、作物を育てられなくなったビニールハウスの撤去作業に取り組んだ。農園のスタッフから手順を教わると、屋根に上がってビニールをはがしたり、ハウス内で止め具を受け取り廃棄物としてまとめたりと黙々と作業に励んだ。
普段は別の学部やキャンパスで学ぶ学生ながら「こっちを押さえて!」「ビニールを送ってください」と、自然にコミュニケーションをとりながら12日からの2日間で5棟ものハウスからビニールを撤去した。
湘南や代々木、札幌から駆けつけた学生たちとともに汗を流した農学部の圓藤沙和さん(4年)は、「農作業に不慣れな学生も一生懸命取り組む姿に励まされました。一緒に活動できてうれしい」と話す。また、熊本校舎のチャレンジセンター「先端技術コミュニティACOT」のメンバー三枝裕美さん(基盤工学部4年)は、「全国から熊本のために学生が集ってくれて本当に感謝しています。一方で、熊本に暮らす私たちが何もしないわけにはいきません」と力を込めた。
湘南で活動の振り返り 今後の活動に意欲
秋学期が始まった9月26日には、湘南校舎で活動の振り返り会を実施。各班の活動内容について発表するとともに、「やりたかったけどできなかったこと」や「これからできそうなこと」について、意見を交わした。
「現地の人と触れ合う機会が少なく、もっと話をしたかった」「ただ言われたとおりに活動しただけ。現地の方から何が求められているのかわからないまま帰ってきてしまった」といった反省の言葉が出た一方で、「関東でもSNSなどを通じた情報発信はできる。熊本にもっとボランティアや観光で行ってもらえるような情報を伝えては?」「建学祭に出展してアピールする」といった今後の展望も語られた。
プロジェクトリーダーの後藤孝弘さん(法学部3年)は、「不完全燃焼な部分もあったが、この活動はもっと続けていきたい。東海大学の学生だからこそできるような、“でっかいこと”を皆で話し合い、次の一歩を踏み出そう」とメンバーに訴えかけた。
熊本の力になりたい――学生たちの今後の活動に注目だ。
<熊本復興支援活動ダイジェスト 2班&3班>
【2班】2班は8月29日から9月2日まで県内各地で活動を展開。西原村の個人宅では、障子の和紙をはがしたり、家主の指示を受けてゴミを分別したりと奮闘し、台所の床掃除でも若い力で活躍した。
【3班】9月5日から9日まで活動した3班は、RQ九州のスタッフらと益城町の落花生農家を手伝い。落花生畑の草取りと同時に収穫に取り組んだほか、田んぼの整備にも汗を流した。
(東海大学新聞10月1日号掲載)
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(写真上から)
▼木之内農園の吉村孫徳さんは、「台風が接近していることもあり、ハウスのビニールを取り外す必要がありましたが、人手が足りず放置した状態となっていました。大勢の学生さんに手伝ってもらい、本当にありがたかった」と笑顔で語った
▼熊本校舎で現地の学生とも交流
▼振り返り会では、熊本校舎とのさらなる連携など、プロジェクトの今後について前向きな意見も交わされた