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旧長陽西部小で展示会

2019/5/1

大学と地域の“復興拠点”に

阿蘇実習フィールドに近い熊本県南阿蘇村の旧長陽西部小学校で4月16日から5月6日まで、「熊本地震からの創造的復興祈念 阿蘇の昆虫・世界の昆虫展&東海大学阿蘇震災遺構VR展 南阿蘇村・東海大学学生街で学生たちが学んできたこと」が開かれている。
 
九州キャンパスと南阿蘇村で実施している総合交流協議会の農業・産業部会、環境・教育部会による活動の一環。農学部の村田浩平教授と九州教養教育センターの福崎稔教授を中心に準備が進められてきた。
 
昆虫展は、村田研究室が国内外で採集してきた昆虫の標本約130ケースを展示。熊本地震では、昆虫標本を置いていた阿蘇校舎の遺伝資源保管室も被災し、150万点ほどあった昆虫標本も多数が破損した。村田研究室では、所属する学生や大学院生らがそれらを一つひとつ修復。展示会に向けて標本棚も製作し、チャレンジセンター「阿蘇は箱舟プロジェクト」のメンバーも参加して「阿蘇の昆虫」について説明するポスターや同村黒川地区のジオラマなども作成した。
 

VR展は、福崎教授が、ドローン空撮を手がける株式会社エア・カメラ、ドローンオペレーターチーム「Agrid」と連携。「ヴァーチャル・阿蘇・リアリティー」として制作されてきた阿蘇地域の空撮映像に、熊本地震で損壊した阿蘇校舎1号館の内部をドローンで撮影した映像を組み込んだ。展示では、ヘッドセットを装着して4分30秒のプログラムが体験できる。
 
福崎教授と村田教授は、「展示を行っている小学校跡地の教室は、大学と地域の交流、復興の拠点として活用していくべき場所。今後も大学の知を還元する展示会やイベントなどを開き、博物館のような機能を備えた建物として運用していければ」と話している。

 
(写真上)正式オープンに先立つ14日に、プレオープンを実施。地域住民や県、村の行政関係者が見学したほか、山田清志学長や荒木朋洋九州キャンパス長らも視察した
(写真下)1号館内をドローンで撮影した映像は地震の大きさを示す貴重な資料としての活用も期待される