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旧阿蘇校舎1号館を整備

2020/9/1

【熊本地震震災ミュージアムがオープン】
防災教育の場として活用


熊本地震で甚大な被害を受けた旧阿蘇校舎(現・阿蘇実習フィールド)の1号館と地面に表出した断層が熊本県の「震災ミュージアム」として整備され、8月1日に公開された。震度7の揺れを2度記録した熊本地震では、農学部が設置されていた阿蘇校舎も多くの建物が損壊。近隣のアパートで暮らしていた学生3人の尊い命も失われた。
 
熊本県では県内各地に点在する震災遺構などを巡る回廊形式のフィールドミュージアム「熊本地震 記憶の回廊」の整備を推進。地震の経験や教訓を後世に伝承するとともに、今後の大規模自然災害への防災対応の強化を図ることなどを目指している。この一環で1号館と地表に現れた断層も地震をテーマとした体験・体感型の展示・学習施設として整備された。

1号館には事務部署の各部屋をはじめ、教室や図書館などがあり、学生たちのキャンパスライフの中心といえる建物だった。地震を引き起こした断層の上に建っているため、多くの部分が損壊したが、今回の整備でY字型校舎の各翼を切り離すとともに倒壊を防ぐ補強工事を実施。安全確保のため建物内には立ち入れないが、周辺を通路で囲み、大きくとられたガラス窓から特に被害の大きかった阿蘇事務課の部屋の状況を見学できる。また、建物の裏庭に表出した断層も風雨で崩れることのないよう樹脂で固めるとともに屋根が取りつけられ、地震の規模の大きさを目で確かめられる。
 
各所には地震の規模や被害状況を説明するサインボードも設置。今後は隣接するグラウンド部分に駐車場と展示室、防災やレクリエーションに活用できる広場なども設けられる計画だ。
 
地震発生当時に農学部長を務めていた荒木朋洋九州キャンパス長は、「震災の形をそのまま見ることのできる施設になっており、県内外の方々に防災教育の場として活用していただけるのではないでしょうか。今後もさまざまな形で復興に協力していきたいと考えています」と話している。

なお、YouTube東海大学新聞編集部アカウントで震災ミュージアムを紹介する動画を公開している。

 
(写真上)補強工事を施された旧阿蘇校舎1号館。公開時間は午前9時から午後5時(冬季は4時)まで。毎週火曜日と年末年始は休業。入場は無料で、団体の場合は「見学申込書」の出が必要。阿蘇ファームランド横の道路からのみ入場可能となっている
(写真下)熊本県職員の案内で視察する荒木キャンパス長(左から2人目)