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特集

2017/03/01
教育の現場から
話題の授業や地域・企業と連携した課外活動など、東海大学の特色ある教育現場に迫ります。

熊本での実践的な学びを地域社会に生かしたい

経営学部・基盤工学部から1期生が卒業

2013年度に熊本校舎に誕生した経営学部と基盤工学部から、この3月に1期生約350人が卒業する。地域のニーズを踏まえ、社会で活躍できる人材の育成を目指した両学部での学びの成果を、4人の4年生に語り合ってもらった。(構成・編集部)







─出席者─(写真左から)
■基盤工学部
 電気電子情報工学科 中原広貴さん
 医療福祉工学科 岩井田あいみさん
■経営学部
 観光ビジネス学科 加藤由季さん
 経営学科 下笠航輝さん


―皆さんが熊本校舎の新学部を進路に選んだ理由を教えてください。

中原 小学校から体操競技に取り組んでいた私は、高校が工業科だったこともあり、工学が学べて強豪の体操競技部があるこの校舎に入りたいと志望しました。
岩井田 私は隣にある付属熊本星翔高校の出身です。医療系の学部に進みたいと思っていたところ、ちょうど熊本校舎に医療福祉工学科ができ、臨床工学技士を目指そうと志願しました。
加藤 小さいころから航空会社かホテルに勤めたいと夢見てきた私にとって、地元の熊本に観光について学べる学科ができることはラッキーでした。1期生ということで自由な雰囲気の中で学べるというのも魅力的でしたね。
下笠 私も「1期生」の言葉に魅力を感じて志望した一人。地元は鹿児島ですが、離れた本に来て、内気な自分を新しい場所で変えられるのではないかと期待しました。

―4年間の熊本でのキャンパスライフは皆さんの期待どおりでしたか?

下笠 私は経営学科のメンバーが入学後すぐに立ち上げた簿記部の1期生です。簿記検定試験3級から1級までの合格を目指して学ぶこの部の活動を通じて、目標に向かって本気で努力することの大切さを学べました。また、東熊祭(建学祭)実行委員や熊本地震発生後に結成した復興支援ボランティアチーム「Vukki」にも参加し、県内各地で活動しました。
中原 私も部活動ではとても充実した時間を過ごしました。体操競技部は今年度約25人が所属し、キャプテンも務めました。練習場の使い方など工夫しながら、真剣さと競技を楽しむ姿勢でチームを引っ張りました。

―印象に残った授業などはありますか?

加藤 実際に観光業界で活躍された先生が多い学科なので、志望する世界の話が聞けるのがうれしかったですね。特に「観光実習」の授業ではキャビンアテンダントなど華やかな印象のある航空会社を訪問したり、その活躍を支える裏側の役割を見られたり……将来に向けた意欲が高まりました。
岩井田 医療福祉工学科生は多くが臨床工学技士の取得を目指します。先生方はとても熱心で、一日の勉強時間や効果的な勉強方法について教えてくれます。とにかく必死についていきました。今は、3月に行われる試験に向けて最後の追い込み中です。
中原 私は研究室でロボット制御や人工知能で用いられる「ファジー理論」について研究を進めています。「ロボットを人間の感覚を応用して制御する」という考え方に将来性を感じました。取り組んでみるとあいまいな「感覚」を客観的にするのはとても困難で、必死に勉強しています。

―それぞれの中で成長した部分や変化した部分は実感していますか?

加藤 大学生活を通じて海外に行く機会が増えました。海外研修でオーストラリア、その後カナダに留学、シンガポールでの観光誘致施策を学ぶ研修にも参加しました。大学の授業や制度を活用でき、就職活動でもその成果を生かせました。
下笠 “自分を変えよう”と入った大学で、積極的に動きました。私もオーストラリアに留学し、個人的にもカンボジアに旅行したり、バイクで国内各地をツーリングしたり。さまざまな経験を通じて自分の殻を破れたかなと感じています。
岩井田 私は3年生の秋学期で行われる病院実習が大きな転機になりました。実際に病院で研修することは、命の重みや医療福祉に関する仕事の使命を考える機会になり、さらに試験に向けて気合が入りました。
中原 体操に限らずスポーツも盛んなキャンパスで、経営学科では柔道やサッカー、野球と熱心に打ち込んでいる学生もたくさんいて、いい仲間になれました。勉強もスポーツも両立できる環境で、将来に向けて大きく成長できたと実感しています。


【キャンパス長に聞く】社会でも挑戦を続けよう
中嶋卓雄 九州キャンパス長(学長補佐・経営学部教授)

熊本校舎の経営学部と基盤工学部は、地域連携型の教育と成果を重視した実学教育の実現を目指してスタートしました。
 
経営学科は実務家教員を中心に「実践型」のプログラムを多く取り入れたカリキュラムを展開してきました。観光ビジネス学科は、熊本県内でも唯一の学科として存在感を発揮しています。自治体との連携にも積極的に取り組んでいます。

電気電子情報工学科は「情報工学」「グリーンエネルギー」「次世代ロボット」「植物生産工学」の各分野を複合的に学び、社会基盤を支える人材の育成に取り組んできました。また、医療福祉工学科は、臨床工学技士試験合格を目指した教育を充実させるとともに、県や企業との医工連携によって、産業分野の発展を担うよう充実を図ってきました。

各学科とも4年生の就職決定率も高く、時代に即した形の人材育成が実を結んでいると感じています。1期生たちには「新しい学部で挑戦してきた」という成果を胸に、社会でも常に新しいものに目を向けてもらいたいと願っています。
 
(写真上から)
▼経営学科の学生たちは簿記などの資格試験合格を目指し、自主的な勉強のためのサークルなども結成している
▼観光ビジネス学科では海外でのフィールドワークといった実習も多数実施してきた。写真はオーストラリア研修の様子
▼情報工学や次世代ロボットなど社会基盤を支える技術について学ぶ電気電子情報工学科。中原さんは佐松崇史教授の研究室でファジー理論の研究に取り組む
▼熊本校舎内にある医療福祉工学科の実習室には、人工心肺装置や人工透析機器などの機材が備えられている

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