Column:Interview
2020年4月1日号
先端研究でSDGsに貢献
研究推進部 長 幸平部長

文部科学省の「科学研究費(科研費)助成事業」獲得支援の充実を目指し、東海大学研究推進部が2014年度から進めてきた「科研費採択件数アッププロジェクト(科研費PJ)」が5年の節目を迎えた。これまでの活動の成果と研究力向上への方針を、長幸平部長に聞いた。

2030年までに国際社会が達成すべき目標として国際連合で採択された持続可能な開発目標(SDGs)は、世界各国の政策に大きな影響を与え、企業や大学でも社会的存在価値を測る達成目標として重視されるようになっています。

イギリスの教育専門誌が公表しているTHE世界大学ランキングではSDGsを通じた大学の社会貢献度を評価しており、日本政府の研究補助事業でも、SDGsへの貢献が求められています。SDGsには、分野融合型の取り組みを推進しているという特徴があります。東海大では、医理工連携や文理融合型、産学連携型の研究を推進していますが、まさにこうしたタイプの研究が求められる時代になっているのです。

その基盤づくりのために重要な研究助成制度の一つが、科研費です。これまで5年間の科研費PJを通じて教員の申請件数は年々上昇しており、2019年度は約630件の応募がありました。その結果、新規と継続の採択件数は386件となり、私立大学で8位にランクインしました。大学の研究力を簡単に数値化することはできませんが、科研費の採択件数は、わかりやすい指標の一つといえます。実は、イギリスの大学評価機関が公表しているQS世界大学ランキングで、日本の私立大学のトップ10に入っている大学の6校が科研費の採択件数でもトップ10に入っており、なおかつ、その順位は高い相関を示しています。このことから、科研費の採択件数に代表される大学の研究力は、大学の世界ランキングに大きく影響していることがわかります。

科研費採択率の向上で選ばれる大学を目指す
ところで、東海大は科研費の採択件数では私立大学のトップ10に入っていますが、採択率では、全国の大学の平均(27%)を大きく下回る20%にとどまっています。言い換えると、採択率が少し上がるだけで、採択件数はさらに増加するのです。

科研費PJでは、審査員経験を持ち、採択実績の高い教員が調書の書き方をアドバイスする「研究計画調書事前チェック制度」を展開しています。提出前に、第三者の有益
なアドバイスをもらい、調書を少し手直しするだけで採択につながることも多いため、ぜひ積極的に活用してください。

大学の研究者が先端的な研究で社会貢献していくためには、科研費をはじめとする外部資金の獲得が欠かせません。東海大が「世界で選ばれる大学」となるため、研究推進部では、今後も研究者を支援する体制を拡充していきます。

 
(グラフ)QS 世界大学ランキング2020と2019年度科研費採択件数の私立大学トップ10との関係を示した表(両方でランクインしている6大学のみを対象に表示したもの)

ちょう・こうへい 1955年生まれ。千葉大学大学院修士課程修了。博士(工学)。18年より現職。情報技術センター所長を兼務。