News:付属諸学校
2020年4月10日号
「当たり前の日々を大切に」
3・11東日本大震災特別講演

付属静岡翔洋高校で2月26日に、3・11東日本大震災特別講演「天国にとどけ! ホームラン!困難に打ち勝ち、夢を実現させた親子の物語」が開催された。宮城県気仙沼市で被災した千葉清英氏が講師を務め、2年生380人が聴講した。

3回シリーズの最終で、1月18日には1年生のサタデーセミナーの時間に岩手県で語り部ボランティアに取り組む昆尚人氏と、2月3日には中等部と高校の全校集会の時間に震災で損傷した遺体の復元を続けた「おもかげ復元師」の笹原留似子氏とテレビ電話をつないで話を聞いてきた。

企画した2学年主任の小曽根龍介教諭は、「今の高校生は震災のはっきりとした記憶がある最後の世代。風化させないために話を聞く機会をつくりたいと考えた」と話す。

経験を語り継ぐ

講師を務めた千葉氏は気仙沼市で牛乳販売店を営んでいたが、震災で7人の家族を失い、自身も津波にさらわれた。講演では当時を振り返り、「何かあったときはどこに逃げるかを家族と話していれば全員が助かっていたかもしれない。自分事として真剣に家族と話し合って」と語りかけた。

会社の再建に取り組むかたわら、2人きりの家族となった息子の「気仙沼にバッティングセンターを作ってほしい」という願いをかなえるために奔走し、2014年3月にオープンした経緯を説明。「つらいときは手を挙げれば周りには仲間がいる。今、当たり前に過ごしている日々を大切にしてほしい」とまとめた。

生徒を代表してあいさつした生徒会長の岩河大和さんは、「震災当時は小学校3年生だったので、今日の話を聞いてあらためて大変な震災だったのだと感じた。前を向いて将来を考えている千葉さんはすごいと思う。これまで聞いた話を今後も語り継いでいかなければいけない」とコメント。副会長の胸組恭さんは、「友達や家族に感謝の気持ちを持ち、日々の生活を大切にしていきたい」と続けた。※学年は当時

 
(写真)生徒たちを前に震災当時の記憶を語った千葉氏