News:研究
2020年8月1日号
海水からの資源回収実現へ
JSPSの二国間交流事業に採択

工学部精密工学科の槌谷和義教授(マイクロ・ナノ研究開発センター)らの研究グループが展開するプロジェクト「海水からの希土類元素選択分離ポンプの設計と開発」がこのほど、日本学術振興会(JSPS)の「二国間交流事業 共同研究・セミナー」に採択された。同事業は、日本の大学などに所属する優れた研究者が他国の研究者と協力して行う共同研究・セミナーの実施にかかわる費用を支援するもの。槌谷教授らは、インド・サストラ大学、インド情報技術大学と連携。海洋学部航海工学科航海学専攻の高嶋恭子准教授とマイクロ・ナノ研究開発センターのガネシュ・クマール・マニ外国人特別研究員(JSPS)も参加している。

この研究では、レアアースを海水中から効率よく取り出す技術の確立とレアアース濃度の高い海水域の解明を目指す。槌谷教授が出願した特許技術とサストラ大の金属錯体技術を活用。毛細管現象を利用して海水を自動的に吸い上げ、バナジウムやリチウム、コバルトなどを選択的に抽出できるポンプを開発し、潮力発電所などに設置されているブイに取りつけて採取実験を行う。インド情報技術大はポンプの高効率化に向けたシミュレーション解析を担当。高嶋准教授は、東海大学の海洋調査研修船「望星丸」を使って駿河湾内で採取したサンプルをもとに、さまざまな地点や深さごとのレアアース濃度の違いなどを分析する。

槌谷教授は、「海水から安価に取り出せるようになれば、政治情勢などに左右されず誰もが使える資源となり、世界の平和や安定にも貢献できると期待している。将来を担う日本とインドの若手研究者が成長できるプロジェクトにしていきたい」と話している。

 
(写真上)槌谷教授
(写真下)ガネシュ研究員