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総合

2021/07/01

望星丸で医療チームが父島へ

新型コロナワクチン接種を支援
国境離島の人々の安心・安全に
東海大の知見と機動力で貢献


日本本土から約1000キロ離れた国境離島である小笠原諸島・父島の島民の安心・安全の確保へ――東海大学が6月19日から、東京都小笠原村(父島)での新型コロナウイルスワクチン接種に向けて、医学部付属病院群の医療チームを学園の海洋調査研修船「望星丸」(国際総トン数=2174トン)で派遣。22、23日の2日間で、希望した島民949人の1回目となるワクチン接種を完了した。

東京都と小笠原村、東海大の3者は、5月に同村における新型コロナワクチン接種に係る連携・協力に関する協定を締結。医師、看護師、薬剤師らで構成する医療チームを2回にわたって派遣し、同村に供給された医療従事者等及び高齢者向け接種用ワクチンの余剰と、国が追加供給する分を用いて父島島民の12歳以上64歳以下の希望者に向けた集団接種を行う計画を進めている。
 

東海大では、海洋学部を中心に望星丸でたびたび小笠原諸島を訪れフィールド教育を実践。小笠原諸島に多くの同窓生が暮らすなど、深い交流を重ねてきた。また、経験豊富な医学部の知見を望星丸の機動力を活用して派遣することで、ワクチンの円滑な接種に向けて地域の実情に応じた効果的な実施体制確保に貢献できることから協力を決定。望星丸の運航は上河内信義船長以下、同船のスタッフが通常どおり担当し、全員が出港直前のタイミングでPCR検査を受けるなど、感染拡大防止対策も徹底した。

現地スタッフと連携・協力7月に2回目の接種へ

医学部付属病院高度救命救急センターの守田誠司所長ら計10人で構成された1回目の接種を担当するメンバーを乗せた望星丸は、19日に清水港日の出埠頭を出港。この計画を主導した山田清志学長と山田吉彦静岡キャンパス長ら関係者が見送りに駆けつけ、山田学長が、「皆さんの熱い思いに支えられてワクチン接種が実現します。皆さん自身の健康にも留意し、元気に役割を果たしてください」とエールを送った。
 

望星丸は道中、天候の悪化などで揺れが激しくなることもあったが、21日に父島・二見港に着岸。医療チームはすぐに現地の医療従事者や村役場関係者らと合流し、会場となった小笠原村・海上自衛隊父島基地分遣隊の体育館の確認などの業務にあたった。翌22日と23日には、現地スタッフらと協力して合計949人のワクチン接種を実施。23日中に二見港を離岸した。
 

25日朝には望星丸が清水港に帰港。守田所長は、「父島の皆さんに温かく迎えていただきました。メンバーは医療従事者としての使命感を持って業務に向かい、多くの方たちの協力を得て無事に任務を終えることができました。本病院としてもコロナ禍への対応は今後も続いていくので、今回の経験を生かしていきたい」と話す。望星丸の上河内船長は、「7月の2回目の任務に向けて、船内の感染拡大防止対策をいま一度見直すとともに、あらためて船内を消毒するなど準備を進める」と語った。
 
なお、7月10日には2回目の接種を担当する医療チームが清水港を出港。13日と14日に小笠原村でワクチン接種に取り組む計画となっている。

 

(写真上から)
▼小笠原村・海上自衛隊父島基地分遣隊の体育館での接種(写真提供=医学部付属病院群医療チーム)
▼ワクチンの準備や接種前の問診など多岐にわたる業務に取り組んだ(写真提供=医学部付属病院群医療チーム)
▼清水港出港時には山田学長がスタッフを激励
▼25日に清水港に帰港したスタッフと出迎えた山田静岡キャンパス長(前列右から2人目)ら
▼伊勢原校舎の医学部付属病院に帰着し、伊勢原校舎・付属病院本部の飯田政弘本部長(左端)らに任務完了を報告

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