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付属諸学校

2014/10/01

4幼稚園が来春「認定こども園」に

地域のニーズに応える

東海大学付属の4幼稚園が2015年度からの「認定こども園」移行に向けた取り組みを進めている。付属かもめ幼稚園(熊本市)に「新保育棟」がこのほど完成したほか、付属自由ケ丘幼稚園(宗像市)でもこども園に向けた施設として新棟建設が始まっている。こども園移行の背景や教育の方針などを学校法人東海大学初等中等教育部の杉一郎部長に聞いた。

就学前の児童を対象とした教育や保育の機関としては、従来「文部科学省所管の幼稚園」と「厚生労働省所管の保育園」とに分かれており、それぞれ「教育」と「保育」で役割を分担していた。しかし近年、子育て中の保護者が保育所に入所申請をしても、定員などの事情で入れない「待機児童」問題が大きくなっており、行政などの間で、教育の平等性や縦割り行政等への批判から抜本的な改革に向けた議論が続けられてきた。

「認定こども園」制度はこれらの事情を受けたもので、12年8月に「子ども・子育て関連3法」が成立。15年度の施行に向けて、内閣府の所管で①質の高い幼児期の学校教育、保育の総合的な提供、②保育の量的拡大・確保、教育・保育の質的改善(待機児童問題解消・教育の質的改善)、③地域の子ども・子育て支援の充実、という方向性で施策が進められている。学園でも早くから国や行政の動きに着目し、4園ともこれまでの幼稚園に加え、保育園の認定も受ける「幼保連携型」での認可に向けて準備してきた。

運用開始に向け施設改修を進める
「学園が掲げる高い理想の実現には、施設や人材などが、審査やさまざまな制約に耐え得るものである必要があります。これまでも長時間保育などを実施してきましたが、今回の制度改変では、より多様な保護者のニーズに対応するべく努力していきます」と杉部長は話す。4園の所在する自治体ごとに事情は異なるが、各園とも15年度からの運用開始を目標にしており、かもめ幼、自由ケ丘幼のほかにも、付属幼稚園(静岡市)では一部部屋の改修工事を、付属本田記念幼稚園(伊勢原市)では園庭に保育棟を設置するなどしている。

杉部長は、「学園では常に質の高い教育と環境を提供して地域の信頼を得てきました。今後も社会に貢献できる青少年を育成していきます。無限の可能性を秘めた子どもたちの、最も大切な時期である幼児教育を担う教育機関として、期待に応えるよう役割を果たしていく」と語っている。

かもめ幼
新保育棟の竣工式 一貫教育の利点生かす

付属かもめ幼稚園で9月1日、認定こども園に対応するための新保育棟の竣工式が開かれた。新保育棟は鉄骨造平屋建てで、建築面積433・30平方メートル、延べ床面積391・66平方メートル。0歳・1歳児保育室と2歳児保育室のほか、職員室や調理室が設けられている。当日は学園関係者をはじめ、保護者の会「愛育会」、年長園児106人が参加。園児の代表がテープカットとくす玉を割って式典に花を添えた。

竹内むつ子園長は、「保護者の選択肢が広がり、待機児童の解消にもつながれば、地域に新たな貢献ができると思います。東海大学付属の幼稚園としての特色や、一貫教育の利点を生かした教育を展開していきたい」と話している。

なお、かもめ幼稚園では現在、来年3月完成予定の新管理棟と2階ホールの建設も始まっている。

自由ケ丘幼
42年間で培った実績 増築工事の地鎮祭

付属自由ケ丘幼稚園では9月3日に、認定こども園化に伴う保育棟増築工事の地鎮祭が行われた。松前義昭理事長・副総長や中村武徳園長をはじめ、隣接する福岡短期大学の神山高行学長、付属第五高校の武富正治校長ら学園関係者のほか、建設会社の代表者ら約20人が出席。松前理事長による「刈初の儀」や「玉串奉奠」などの神事が実施された。保育棟は鉄筋コンクリート造の地上2階建てで、建築面積は303・49平方メートル、延べ床面積は336・52平方メートル。3歳児未満の園児専用の保育棟として、来年3月10日に竣工予定だ。

中村園長は、「これまで42年間にわたって培い、根づいてきた幼児教育の実績と地元の評価を、いかに継続していけるかが課題であり、目標でもあります。これまで満3歳児以下の保育経験がないため、他の保育施設の見学や、経験豊富な教職員の協力を得ながら、来春の開始に向けて準備を進めていきたいと思います」と語った。

 
(写真上)0歳・1歳児保育室と2歳児保育室などが設けられる新保育棟
(写真下)関係者らが出席して工事の安全を祈願

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