Column:Interview
2020年10月1日号
打力向上へ技術伝える
社会人一筋25年の経験生かし
湘南・硬式野球部 西郷泰之コーチ

初めての経験なので緊張しました。選手の背中を押せるような声をかけ、右手を回して得点につなげたい」。首都大学秋季リーグ戦の開幕戦で初めて三塁コーチを務めた硬式野球部の西郷泰之コーチはこう振り返った。

日本学園高校から三菱自動車川崎(当時)に進み、社会人野球一筋25年。“ミスター社会人”の異名を持つ左の強打者は、都市対抗大会優勝6回、アトランタ五輪では銀メダルも獲得した。所属していた三菱ふそう川崎が休部したとき、Hondaに招いたのが当時の安藤強監督(現・硬式野球部監督)だった。今年3月からは、その指揮官のもとで打撃コーチを務める。

「下半身を使ってしっかり打つにはバットを振り込むしかない」「打撃フォームに完成形はない」が持論で、選手たちにはマイナーチェンジをしながら試合に臨む大切さを説く。「どんなアドバイスも一度やってみてから自分に合うか考える。そうして引き出しを増やして最善策を探せるようになってほしい」
 
プロを目指した時期もあったが、「五輪の後、周りの選手が次々指名される中で声がかからず、あきらめてしまった」。“ほかの道があったかもしれない”と思うからこそ、選手たちには「目標に向かって努力する大切さを伝えたい」と、自身の経験や感覚を一つずつ丁寧に言葉にすることを心がける。「発展途上の選手が多く今後が楽しみ。大学日本一に貢献できるよう指導していく」

 
(写真)塁上の選手に指示を出す西郷コーチ(左)