News:付属諸学校
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2020年7月1日号
各付属校に生徒・児童の笑顔が戻る
万全の対策のもと通常授業が再開

新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向け、学校法人東海大学の初等中等教育機関では4月から自宅学習が取り入れられた。5月には政府の緊急事態宣言が段階的に解除。各校では所在する地域の状況や教育委員会等の発表を踏まえながら学校再開に向けた準備が進められ、6月上旬から中旬にかけて通常授業が再開した。感染症対策を講じつつ、「新たな高校生活」が始まった付属高輪台高校と同中等部、山形高校の様子を紹介する。

【高輪台中高】動画を使った遠隔授業 感染防止策も徹底

2月27日に安倍晋三首相から、全国の小学校、中学校、高校および特別支援学校に対して3月2日以降の全国一斉臨時休校が要請された。高輪台高・同中等部では2月29日に昨年度の授業が終了したため、以降の補講期間を自宅学習期間に変更。予定していた卒業証書授与式や修了式は生徒と教職員の密集を避けるよう、各クラスに放送する形で執り行った。

「社会情勢に鑑み、新年度早々の通常授業再開は難しいと予測を立てていた」と片桐知己治校長は語る。同校では、3月から教員が科目ごとにチームを組み、遠隔授業実施に向けた授業動画の作成に着手。自宅学習期間に動画を配信し、スキルを積み上げた。併せて、通常授業再開への準備として除菌用アルコールやフェイスシールドも購入。保護者からもマスクの寄付を受けるなど、限られた時間の中で、新年度への準備を進めた。

4月から始まった遠隔授業は、生徒が授業動画をYouTubeで見ながら学び、教育プラットホーム「Classi」「ClassiNOTE」を使って課題を提出・回収する形式がとられた。体育や技術家庭科などの実習を伴う科目では、筋力トレーニングや卵焼き作りなど自宅で動画を見ながら取り組める内容に。約2カ月の間に配信された動画の本数は中等部が682本、高校では1025本にものぼった。

5月25日に東京都の緊急事態宣言が解除されたことを受け、6月1日からは学年ごとに分散登校を開始。15日からは通常授業も始まった。電車で通学する生徒も多いことから車内での感染防止策を呼びかけるとともに、生徒の密集を避けるため通学路に教員が立って指導にもあたっている。授業中は生徒と教員が飛沫感染を防止するため、フェイスシールドを着用。マスク着用と手洗いを徹底するほか、夏場の冷房をつける際には換気が難しくなるため、授業の合間に5分間窓を開け、水分も補給している。

金山美月さん(高校2年)は、「友人とクラスで授業を受けたり、部活動に参加できたり、これまで当たり前だった日々が戻ってきたことが何よりもうれしい」と語る。片桐校長は、「新型コロナの感染拡大は、手洗いの徹底や3密を避けることである程度防ぐことができる。生徒、教職員が一丸となって、少しずつ日常を取り戻していきたい」と話している。

【山形高】公立高校と足並みそろえ 段階的に授業を再開

山形高では、「新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためには、県内の高校が足並みをそろえる必要がある」と判断。県教育庁から公立高校に発出された方針に合わせ、5月中旬から段階的に登校日を増やした。11日からは3時限(45分)の授業を学年別に週2日実施し、翌週は週3日に拡大。25日には週5日、6時限(50分)に戻し、6月1日から、7時限目の特進コースを含めたすべての授業を復活させた。

登校開始にあたっては、生徒の体調確認や校内の設備・備品の消毒、換気といった感染対策を徹底。山形市内の校長会が連携し、高校ごとに乗車できる通学電車の時間を指定するなど密集を避けるよう配慮した。

同校では3月6日から20日まで臨時休校し、春休み後は4月7日から授業開始を予定していた。しかし、県内での感染拡大を受けて休校の延長を決定。同校企画委員会の教員が中心となって対応を協議し、「生徒たちのために、最大限の努力をしよう」と全教職員の士気を高めたという。休校中は、オンライン学習サービス「スタディサプリ」を活用。担任教諭が毎朝メッセージや学習課題を伝え、生徒からの質問や勉強、進路、健康の相談に応じた。さらに、生徒の不安を払拭するため、4月21日からは学年別に週1回2時間の登校によるホームルームも設けていた。

制限がある中でも生徒のやる気を尊重
学校での授業を再開して約1カ月半。部活動も徐々に活動を始めつつある。岡田恵子校長は、「卒業生から約1万枚のマスクが贈られるなど、多くの人に支えられてきた。責任を持って役割を果たした教職員の力も大きい。保護者や近隣の皆さんの理解と協力にも感謝しています」と語る。

生徒会長の高橋快成さん(3年)は、「学校で仲間と受ける授業は、やはり刺激があって楽しい。生活や授業のスタイルがどのように変化しても、生徒が力を合わせて充実した高校生活を送りたい」と意欲を見せる。

「部活動や各種催しの中止など、生徒たちが活躍する場の縮小が余儀なくされています。だからこそ、生徒の“やりたい気持ち”を尊重し、なんとか工夫して希望を実現させてあげたい」と岡田校長は力を込める。「多くの制限がある中でも、目標に向かって勉強に励み、仲間との交流を深められる環境を整えたい。“楽しい高校生活だった”と思ってもらえるようサポートしていきます」

 
(写真上から)
▼生徒や教員がフェイスシールドを着けながら授業を展開。合間に換気や水分補給など も実施している
▼技術家庭科の遠隔授業では、マスクを着けた際に耳への負担を減らす「マスクベルト」作りにも挑戦
▼5月11日に学校での短縮授業が再開された
▼オンライン授業後に、教員が生徒の感想を聞く