特集:東海大生200人に聞きました
2016年4月1日号
東日本大震災から5年
今、学生にできることは?

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、余震なども含めると1万5894人の死者を出し、今なお2561人の行方不明者を数える(3月10日現在・警察庁発表)。さらに東京電力福島第一原子力発電所の事故も起きるなど、未曽有の大災害となった。あれから5年を経て、当時はほとんどがまだ中高生だった東海大生たちは震災についてどのように感じているのだろう? 200人に聞いた。 ※学部学年はアンケート実施当時



「大震災やそれに伴う原発事故への意識や関心は風化していると感じていますか?」の問いに74%の学生が「はい」と回答。その理由として多くの学生が「テレビや新聞などのメディアで扱われなくなっている」「家族や友人などとの話題にのぼらなくなった」を選び、身近に震災や被災地を感じていない様子がうかがえる結果となった。

その一方で、「今、学生にできることは?」の問いに、ボランティアや募金といった継続的な支援や「忘れない」「正しい情報を得る・発信する」などの声も多く寄せられた。「小さなことかもしれないが、今の私たちができることを果たしたい」(体育学部4年・女子)、「募金などに取り組むことで、被災地の人たちのよりよい暮らしにつながれば」(生物学部3年・男子)と、積極的な意見も目立った。

東海大学では震災発生直後からチャレンジセンター「3.11 生活復興支援プロジェクト」が発足し、岩手県や宮城県などの被災地で活動を展開してきたほか、各学部学科で復興を手助けしてきた。5年の節目に、もう一度関心を寄せ、自分ができることを考えてみてはどうだろうか。(構成・編集部)

学生たちの声から
Q.学生にできることは何だと思いますか?
▶ 日ごろから災害が起こったときのことを想定して、どのように自分が動くべきか考える(生物学部4年・男子)
▶ 被災地のことや、今必要とされていることについて、まずは知る努力をすべき(工学部3年・女子)
▶ 学内などにも震災の被害を受けた人がいるのでは? なにげない会話も精神的なサポートになると思う(健康科学部4年・女子)
▶ この出来事を忘れることなく過ごすことも大切(医学部1年・女子)
▶ 東北出身で、今でもあの強い揺れを覚えている。まだまだ復興は進んでおらず、大学生の助けが必要(海洋学部1年・男子)
▶ 時間のある学生のうちにボランティアに参加する(基盤工学部3年・女子、文学部1年・男子、観光学部3年・女子ほか多数)
▶ 震災当時にしていた節電などを続けていく。自分の家に帰れない人もまだ多くいるのでその解決策も考えたい(体育学部1年・女子)
▶ 現地にこそ本当の課題がある。大学生の機動力を生かして現地を訪れ、自分の目で見ること(体育学部2年・男子)
▶ 忘れないことが大切。周囲にも「そういえば」というように切り出す機会をつくりたい(工学部1年・男子)
▶ 正しい情報を得るよう心がけ、風評に惑わされないようにする(工学部2年・男子)
▶ 震災に関する情報を積極的に得るように努力する(農学部2年・女子)
▶ 学部学科の学びを生かして、情報発信につなげる(文学部2年・女子)
▶ 学生が個人で何かするのは難しい(情報理工学部3年・男子)
▶ しょせん学生なので、できることはない。政府に任せておくべき(文学部4年・男子)

Q.震災や被災地について思うことは?
▶ 実際に被災地を訪ねたが、崩れた家の撤去などが進んでおらず、行政は何をしているのかと感じた。政治に参加することから始めたほうがいいのではないだろうか(生物学部4年・女子)
▶ 今まで募金してきたお金はどこでどのように使われたのか、明確に示してほしい(情報通信学部3年・男子)
▶ 被災地の現状についてはテレビやインターネットのニュースで得ていた。報道が減り、ほとんどわからなくなってしまっている(健康科学部3年・女子)
▶ 原子力発電所事故の被害を忘れないために、被災者や発電所職員の話を世界に発信するべき(基盤工学部3年・女子)

【3.11生活復興支援プロジェクト】望星学塾で“実感”語る

学校法人東海大学望星学塾で3月12日に開かれた第398回望星講座「東日本大震災から5年 復興にかける思い〜パネルディスカッション〜」に、チャレンジセンター「3.11生活復興支援プロジェクト」(3.11LCP)が参加した。

講座は津波の体験や学生による復興支援活動、ボランティアのあり方についての報告や提言を通じて、あらためて復興にかける思いや支援方法などを考えようというもの。

3.11LCPが継続して活動している岩手県大船渡市三陸町泊地区の自治会総務を務める佐川静香さんと、宮城県登米市在住で東海大学宮城県白鷗会の寺澤豊志会長とともに、プロジェクトから高橋直也さん(政治経済学部2年)と澤田侑大さん(工学部1年)がパネリストとして登壇した。

学生2人は、東日本大震災発生直後から大船渡市と宮城県石巻市を中心に取り組んできた復興支援活動の経緯や概要について紹介しながら、「私たち学生は自由な時間が多いといっても、経験や知識も少なく可能な支援活動には限界がある。しかし、たとえば被災地の思いに寄り添って、現地の食材を買ったりインターネットなどを通じて復興への思いを共有したりすることも支援の一つ」と提言。

「実際に現地を訪れてみると、復興が進展していない現状を目の当たりにする。今後も震災の記憶が風化することのないよう、情報発信に力を入れたい」と話していた。

※学年は当時