特集:東海大生200人に聞きました
2017年7月1日号
「若者の〇〇離れ」とは
多様化する社会で何を残す?

「新人類」「ゆとり世代」など、いつの時代も若者を揶や揄ゆ する言葉は存在する。最近では「若者の○○離れ」という言葉がメディアで多く使用されている。「離れる」というネガティブな表現に対し、まさに若者である学生自身はどう感じているのだろう? 実際にさまざまなものから離れているのだろうか? 東海大生200人に聞いた。 (構成・編集部)



「『若者の○○離れ』という言葉を耳にしたことがありますか?」という問いに対し、85%が「ある」と回答。その中には、「若者が興味を持つ対象は時代の流れで変わっていく」(海洋学部1年・男子)、「若者は独自の文化を持っているので、大人の固定概念にすぎない」(体育学部2年・男子)と、その言葉に辟易している学生も多い。

一方で、「あなた自身が離れていると思うものは何ですか?」という質問には、「活字」(119人)、「選挙、政治」(99人)と答えるなど、約半数が離れていることを自覚しているジャンルもある。

しかし、「本や新聞は電子化されると持ち運びに便利だが、紙に印刷された文字のほうが記憶に残りやすい」(医学部3年・女子)、「政治や国の今後についてはきちんと考えなければいけない」(海洋学部1年・男子)といった意見もあり、離れることへの危機感もうかがえる結果に。

学生たちの声から
▶ 便利なものが増え手間が省ける道具ができたことも関係していると思うので、いいか悪いかは一概にはいえない(医学部3年・女子)
▶ 以前は新聞のスポーツ面で野球選手の打撃成績などを見ていたが、今はスマホで見ている(工学部3年・男子)
▶ 時代の変化によるものなので仕方ない(健康科学部1年・女子)
▶ 「YouTube」などの動画アプリがあるので、友人といるより1人のほうが楽しい(文学部3年・男子)
▶ 最近の若者は自分にメリットのないものには消極的(生物学部3年・女子)
▶ 今はさまざまな娯楽があり、趣味も人それぞれだから悪いとは思わない(農学部3年・男子)
▶ ネット通販があるため出かける頻度が減り、車も必要ない(海洋学部2年・男子)
▶ 離れていいものもあるので深刻に考えなくてもよいのでは(観光学部4年・女子)
▶ 若者の○○離れに関しては、世代が変われば流行も変わるので納得できるものもある。しかし、離れてはならないものから離れていってしまっているようにも思える(法学部2年・男子)
▶ 今年からビールが増税されるので、酒はますますハードルが上がる(工学部4年・男子)
▶ それぞれ別の問題なのに、「若者の○○離れ」とひとくくりにされたくない(教養学部2年・女子)
▶ 忙しさを少しでも減らすことができれば、離れていくことはなくなる(経営学部2年・男子)
▶ 「田舎離れ」や「農業離れ」が気になる。離れてしまうと日本の将来が心配だが、優秀な人材は社会に貢献するため都会に出てほしいとも思うから難しい(農学部1年・女子)
▶ スマホなどで簡単に情報が手に入るようになった(政治経済学部1年・女子)
▶ 家庭の経済状況が親の世代ほどよくないので、欲を持たずに生きるようになるのは自然な流れだと思う。しかし、そのまま夢や目標までしぼんでしまうのはつまらない(医学部3年・女子)
▶ 若者離れといわれるものはお金がかかることが多い。今の娯楽はお金がかからないものが多いので、ほどほどに稼げればいいという「低燃費世代」なのでは(生物学部3年・女子)
▶ 昔の伝統がなくなっていくのはさみしいが、タバコ離れはいいと思う(教養学部2年・女子)

monitor’s voice
技術は使い方次第
渡邊達也さん(情報通信学部2年)

今の時代は人工知能の技術が発達しているため、インターネットやアプリでニュースを読んでも、自分が過去に検索した情報をもとに「この人に必要なニュースはこれ」といったように、コンピューターが自分専用のニュースページを作り出します。必要な情報が得られることが「新聞離れ」の要因になっているのではないでしょうか。

これは便利な機能ですが、必要とする情報以外は入ってきづらくなるので、興味関心の幅が狭まってしまいます。紙の新聞だと、自分から知ろうとしなかった情報も得ることができるので、私はできるだけ紙の新聞を読むよう心がけています。

また、スマートフォンの普及でアプリや動画など一人で楽しめる娯楽が増えたため、スポーツなど相手や場所を必要とするものから離れてしまっています。

ただ、私の友人にはSNS上で共通の趣味を持つ人を集め交流の場を広げている人もいるので、最先端の技術も使う人次第で「○○離れ」せずにすむのかもしれません。

「若者の選挙離れ」を実感
榎本愛美さん(政治経済学部2年)

「若者の○○離れ」という言葉はテレビでよく目にしますが、印象的だったのは選挙の投票率のニュースです。

昨年、選挙権が18歳以上に変更となった際、「若者の選挙離れ」がニュースで取り上げられていました。当時18歳だった私は選挙に行きましたが、同級生の中には投票に行かない人もたくさんいて、そのとき「若者の選挙離れ」を実感しました。

私は政治経済学部なので、日常的に政治や経済について情報を得るようにしていますが、他学部の人と話していると、政治・経済に関心のない学生は少なくないと感じます。

また、「新聞離れ」を特集しているテレビを見て、「自分のことだ」と痛感し、それからは意識的に読むようになりました。今では幅広い情報を得るために、関心を持ったニュースはインターネットで検索せず、まずは新聞で調べるようにしています。

大学の図書館なら無料で読めるので、一人暮らしの学生にも新聞を読む習慣が広がるといいなと思います。

 
【学生アンケート調査】●調査期間:2017年4月中旬〜5月中旬●調査対象者:東海大学在学生(湘南校舎128人、代々木校舎4人、高輪校舎11人、清水校舎15人、伊勢原校舎13人、熊本校舎17人、札幌校舎12人)●調査回答数:200人●調査方法:ヽ慇献皀縫拭爾縫瓠璽襪妊▲鵐院璽箸鯒杰し回答を得る▲ャンパス内でアンケート用紙を直接配布し回答を得る