特集:東海大生200人に聞きました
2019年12月1日号
【特別座談会 】内定後の4年生に聞く
仕事選びのポイントは?

大学新卒の就職状況はここ数年、求人数が多く「売り手市場」と言われている。働き方も多様化する中で、学生たちは仕事を選ぶ際に何を重視しているのだろう? 就職先が決まった4年生200人に、就職活動を振り返るアンケートを実施。キャリア就職センターの水島久光所長(文化社会学部教授)と学生2人が結果をもとに語り合った。 (構成・編集部)

出席者
◎キャリア就職センター
 水島久光所長(文化社会学部教授)
◎学生モニター
 林 瑞葵さん( 教養学部人間環境学科社会環境課程/販売・サービス業)
 油布拓見さん(理学部数学科/公務員)



水島 就職活動を意識し始めたのはいつごろですか?

 3年時の夏に、学内のセミナーでインターンシップへの参加が呼びかけられていて、「自分も行かないとまずい!」と思ったのが私の就活の始まりです。まだ志望職種も定まっていなかったので、業界を絞らず複数のインターンに参加しました。その中で徐々に「人を笑顔にする」「人の思い出に残る」という核が見えてきて、接客業を中心にエントリーするようになりました。そうしてカメラ機材の販売やフォトスタジオを運営している企業への就職が決まりました。

油布 私は公務員試験の勉強をしながら一般企業も受けるつもりだったのですが、この先両立に苦しむよりはと考え、2年時の冬に公務員一本に絞って準備を始めました。3年時には、学内の公務員講座を受講しました。試験に合格した卒業生の講演はとても参考になり、気になる点を質問できたのもよかったです。

水島 公務員のインターンには参加しましたか?市役所の窓口にはパートや派遣社員の方が多く、私たちは普段公務員の仕事内容を目にすることが意外と少ないんですよね。

油布 私は参加していなくて、それをとても後悔しています(苦笑)。一般企業のインターンには、1社だけ参加しました。インターンが就職への絶対条件だとは思いませんが、職場の雰囲気がわかりますし、働いている方と接する機会はとても大切だと思います。

水島 アンケートを見ると、約8割の学生がインターンを経験しています。年々増えている印象ですが、参加するからには自分にとって意味のあるものにしてほしいですね。

「売り手市場」の就活 重視したことは?
水島 近年は「売り手市場」と言われていますが、林さんは一般企業の選考を受ける中で実感しましたか?

 就職氷河期を経験していないので比較はできませんが、ニュースで言われるほど実感することはありませんでした。ただ、「ブラック企業」や「働き方改革」という言葉さまざまな場所で聞くので、「働ければどこでもいい」とは思わず、企業を選ぶ際は福利厚生や各種手当の有無を重視しました。

水島 アンケートの「仕事選びで重視したポイント」でも、福利厚生は上位に入っていますね。過労死のニュースがよく取り上げられるようになり、企業の待遇面に注目する人は多いでしょう。ただ、大切なのは「たくさん休める」ことよりも、仕事の内容と休暇のバランスがとれるかどうか。業界や人によってこのバランスは異なりますが、まずは働くことを牾擇靴き瓩抜兇犬蕕譴襪を基準に考えてほしいと思います。

就活を控える後輩へ 4年生からのアドバイス
水島 最後に、これから本格的な就職活動が始まる3年生へのアドバイスをお願いします。

 私はチャレンジセンターの「DAN DAN DANCE & SPORTSプロジェクト」に所属していますが、大学の職員や地域の方など大人と接する機会が多かったので、敬語の使い方やメールの書き方は就活に生かせたと感じています。また、選考に進んだ約20社で必ず聞かれたのは「大学時代でいちばん印象的だったこと」。何を学んだのか、何に没頭したのかを振り返る時間を大切にしてください。

油布 年上の人と話す機会を増やすことは、私も大切だと思います。社会に出たときにどういった受け答えや考え方が求められるのかを学べる。アルバイトでも大学の研究室でもいいので、幅広い世代と接する機会を増やすことは重要です。公務員志望の人は、できるだけ早く勉強やインターンに取り組むことをお勧めします。また、就活中は不安になることが多いので、アドバイスをし合える仲間がいると心強い。1人で抱え込まず、周りと協力しながら頑張ってもらいたいですね。

学生たちの声から
Q. インターンシップに参加してよかったことなどを教えてください
▶インターン中に知り合った他大学の学生と集まって選考のための勉強会を開いたことで、同じ業界を志望する仲間と出会えた(文学部・男子)
▶ 仕事内容以外のことに注目した。給料が高いに越したことはないけれど、その会社を好きになれるかどうかも重要なポイント(理学部・男子)
▶ 畜産業ならではの大変さや、仕事でどれくらい汚れるかを体験できた(農学部・男子)
▶ 実際に業務を体験でき、会社での仕事内容をより深く理解できた(観光学部・女子)
▶ オフィスに入れることがメリットだと思う。初めて行く場所で初めて会う人が面接官だと想像以上に緊張する。一次面接は人事担当者が面接官であることが多いので、インターンで事前にどんな人柄か知ることができるだけでも価値がある(情報通信学部・男子)

Q. 自身の経験から、3年生以下の学生へのアドバイスをお願いします
▶ スポーツにかかわる仕事がしたいと思い、スポーツチームの運営やスポーツ用品メーカーなどを志望していたが、企業によってはスポンサー契約やアスリート雇用などでもかかわれることがわかり、就活の幅が広がった(体育学部・男子)
▶ 札幌校舎だと選考を受けに飛行機を利用することが多いので、貯金しておくこと(生物学部・男子)
▶ 学生のうちに頑張ったと胸を張って言えるようなことをやっておく。エントリーシートの添削などは、大学のキャリア就職担当の職員さんに協力してもらった(経営学部・男子)
▶ 最初はネームバリューで会社を選びがちだが、いろんな業界を見てみるといい会社がとても多いので、最初から幅広く就活を進めるといい(海洋学部・男子)
▶ 人とのかかわりを増やし、自己分析をしっかりする(国際文化学部・女子)
▶ 企業の方から「この人と働きたい」と思ってもらえるように努力すべき(健康科学部・女子)
▶ 何事にも全力で取り組み、失敗したらその都度振り返る。自分の強みや弱みが顕著になり、自己PRの作成も容易になる(工学部・男子)

【学生アンケート調査】●調査期間:2019年10月下旬〜11月中旬●調査対象者:東海大学在学生(湘南校舎:139人、代々木校舎:6人、高輪校舎:12人、清水校舎:11人、伊勢原校舎:4人、熊本校舎:16人、札幌校舎:12人)●調査回答数:200人●調査方法:ヽ慇献皀縫拭爾謀豎ぢ膤愎景WEB版のアンケートフォームから回答を得る⊃轡ャリア支援ナビの登録者にメールでアンケートを配信して回答を得る

 
(写真上から)
▼「人を笑顔にする職業を志した」と話す林さん
▼それぞれの立場から意見を出し合った座談会
▼「まずは働くことを楽しめるか」とポイントを語る水島所長
▼油布さんは「学生時代に幅広い世代と接することが大切」と話す