Column:Interview
2012年6月1日号
ロンドン五輪柔道女子70キロ級代表に選出
“攻める柔道”を武器に世界最高峰の舞台に挑む
田知本 遥選手(体育学部4年)

一本取って勝つ、自分の柔道で世界一に――。7月27日に開幕するロンドン五輪の柔道女子70キロ級代表に選出された田知本遥選手(体育学部4年)。代表最終選考会の全日本選抜柔道体重別選手権大会(5月12、13日・福岡)では、決勝でヌンイラ華蓮選手(環太平洋大学3年)に優勢勝ち。同大会初優勝で見事に代表の座をつかんだ。

「柔道を続ける限り、いつでも五輪は目標としてある」と話す田知本選手は、猝〞を現実として意識する契機になった試合があると話す。4年前の北京五輪の柔道女子78祖教薹莨 東海大の先輩でありアテネ五輪金メダリストの塚田真希選手(大学院体育学研究科05年度修了・綜合警備保障=当時)と中国の■文(とうぶん)選手との一戦だ。

ポイントでリードを奪った塚田選手が、一本勝ちを狙いにいく姿に衝撃を受けた。「残り8秒で背負い投げを受け、一本負けとなったのですが、あのタイミングで自分からは前に出ないもの。なぜ攻められるのか知りたかった」東海大に進んで3年、国内外の大会で腕を磨き、理想の柔道を追求してきた。実はその答えはまだ、塚田選手に聞いていない。「でも、なんとなくわかるようになってきたんです。あの場面、塚田先輩は狷┐欧洞皀瓮瀬〞では納得できなかったんじゃないかって」

課題修正し世界1位に挑む
5月18日から23日まで行われた全日本女子強化合宿では、「技もよく決まった」と調子の良さを実感している。一方で、代表の園田隆二監督から「技を出すタイミングが遅い」と修正点の指摘も受けた。「つい、一発で決めよう、もっといい形に持っていこうと、相手を見てしまう」。一本勝ちにこだわるからこそだが、「技をどんどんつないで、臨機応変に動いていかないと」と課題を見つめる。

ロンドンでの目標は、「金メダルはもちろんですが、決勝に行って、ドコス選手と戦いたい」と話す。IJFランキング1位(5月1日時点)のリュシ・ドコス選手(フランス)には、今年1月のワールドマスターズ・アルマトイでは準決勝で敗れたが、2月のグランドスラム・パリでは決勝で2―1の判定ながらも勝利。ロンドン五輪は決着をつける場になる。「五輪で勝ち進むのは容易ではない。一戦一戦、最後まで気を抜かず、攻めきる柔道をしたい。それができなくては勝機はない」

最高の舞台で、最高の試合を――かつて塚田選手が挑んだ世界に、自らも挑戦する。「五輪はかけがえのない経験になると思う。全力で挑みたい」

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たちもと・はるか 1990年富山県生まれ。身長166センチ。富山県立小杉高校3年時にインターハイ個人制覇。2009年全日本学生体重別選手権大会、10年グランドスラム東京、12年グランドスラム・パリなど国内外の各大会で優勝。IJF世界ランキング3位(5月1日時点)。今年度の女子柔道部主将も務める

■=にんべんに冬
Key Word IJFランキングと代表選考
過去2年間に世界柔道連盟(IJF)が主催した国際大会で得たポイントをもとにランキングが決まり、上位選手に五輪出場枠が与えられる。日本代表に選ばれるには今年5月1日時点で男子はランキング22位以内、女子は14位以内が条件。さらに過去1年間の国内外の大会結果も総合的に検討される。