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お世話になった村に恩返し

2016/8/1

阿蘇の風景や動物大切な場所を残す

相戸健志さん(農学部応用動物科学科2年)

草原の中で草を食むあか牛、阿蘇校舎のある南阿蘇村と外部を結ぶ阿蘇大橋、キャンパスの近くで見かけた動物や昆虫たち……阿蘇校舎で学んだ日々の断片をスケッチし、「南阿蘇村復興支援ポストカード」として販売。売り上げを義援金として南阿蘇村に寄付する活動に取り組む相戸健志さんは、「阿蘇はいつも仲間の誰かが身近にいる環境だった。少しでも自分の作品が復興の手助けになれば」と話す。 

阿蘇校舎周辺で一人暮らしをしていた相戸さんも、4月16日に発生した熊本地震の本震で被災。押しつぶされたアパートの1階にあった自室で、ベッドと天井の間に挟まれ傷を負ったが、無事に救助された。

大学再開までの2カ月半は、実家のある福岡県や母の単身赴任先である宮崎県で過ごした。その間、「高校時代から絵が好きで、1日1枚ペースで描き続けてきました。好きなことはとことん打ち込む性格」と話すように、避難生活で休止していた色鉛筆画制作も再開していたという。 

ポストカード制作は母の知人の紹介で出会った宮崎市のミニコミ紙「みやざき中央新聞」の編集長から復興支援活動になると勧められて開始。思い出の風景を描き起こし、地震前の作品と合わせて同新聞から10枚1000円で売り出した。

「人の目に触れる作品は初めてで……」とはにかみながらも、「村は私たち農学部生にとって大切な場所。感謝の思いを込めて書きました」としっかりとした口調で語った。 

義援金は8月22日、お世話になった大家さんとともに村役場に届ける予定だ。

(東海大学新聞8月1日号掲載)

 
(写真)ポストカード購入はみやざき中央新聞(info@miyachu.jp)まで問い合わせを