[チャレンジセンター]ボランティア活動などを展開湘南ほか4校舎の学生が参加して始動全国の東海大生の力を結集して“熊本”をサポートしよう!――チャレンジセンターがこのほど、「平成28年熊本地震」で被災した熊本県各地の復興支援活動に取り組む特別プロジェクト「熊本復興支援プロジェクト」を立ち上げた。全国の校舎から参加者を募り、説明会を通じて湘南、代々木、清水、伊勢原、札幌の各校舎から学生約50人が参加。8月21日から9月17日まで、現地でボランティア活動に取り組んでいる。
同プロジェクトでは8月5日に湘南校舎で、代々木校舎とテレビ会議をつなぎ、被災地でのボランティア活動に関する事前研修を実施。活動への心構えや現地での活動規範を決めるグループワークも行い、学生たちは意見を交わしながら21日からの熊本での活動に備えてきた。
現地では9月17日までの4週間にわたって、熊本・阿蘇両校舎の学生、教職員や県内でボランティア活動に取り組む団体と協力。さまざまな活動に従事していく。学生と教職員で構成する4つの班が1週間交代で活動する計画で、2班以降の活動では毎週1回、熊本校舎で学ぶ経営学部、基盤工学部、農学部の学生も活動に参加する。
支援のニーズを調査 地域住民と心の交流も
「Teamフェニックス」と名づけられた第1班は、21日から現地入り。湘南と伊勢原校舎の14人の学生と引率の職員で構成され、A、Bの2グループに分かれて27日まで活動した。
有志によるボランティア活動の受け皿として活動している「チーム熊本」に参加するAチームは、連日朝から活動拠点である熊本市内の崇城大学ボランティアビレッジを訪ね、全国から集まったボランティアとともに、被災者のニーズに沿って、そのつど割り振られる役割に励む。被害の大きかった益城町内で、住民がボランティアに望むことを聞いて回るニーズ調査などに従事した。
調査では3つのグループに分かれ、気温38度の猛暑の中、エリア内の住宅を1軒1軒訪ねて回る。「何か困っていることはありませんか?」「ボランティアに望むことを教えてください」と声をかけ、ボランティアの必要性の有無にとどまらず、被災後の生活や行政の対応などにも耳を傾けた。
藤井亮介さん(医学部1年)は、「住民の方のお話を聞いて、ボランティアのあり方などについて戸惑うこともありますが、精いっぱい頑張りたい」という。
「住民の方から“話し相手がいなくてさみしい。来てくれてうれしかった”と言われ、心の交流ができたと感じた」と話すのは有永尚史さん(文学部3年)。「湘南に帰っても、ここで見たこと、感じたことを伝えていきます」と決意を新たにしていた。
温泉施設の活用を支援 農園の復旧も手助け
農学部のある南阿蘇村立野地区の木之内農園と連携するBチームは、地震で泉源を失い、再開のめどが立っていない村営温泉施設「長陽憩いの家」で地震前後の風景を収めた写真や防災に関するパネルを展示する“復興ミュージアム化”に向けた活動を手伝った。
初日から、地震後から手つかずのままだった施設内の清掃や崩れた石垣の修復作業に汗を流した学生たち。倒壊したままの家屋や、水道が出ないなどの問題を目の当たりにし、一様にショックを受けた様子。それでも、「熊本の人たちの助けになりたい」と前を向いて作業にあたった。
翌日には同農園スタッフの吉村孫徳さんの案内で、阿蘇校舎や阿蘇神社など大きな被害を受けた施設や地元農家を訪問。農園では台風などの悪天候に備え、破れたままになっていたビニールハウスのビニールをはぎ取る作業などにも従事した。班長の石ヶ森光司さん(法学部3年)は、「第1班は現地のニーズを探りながら次につながるよう、情報を集めながら活動を展開していきたい」と語る。
27日まで活動していた第1班と入れ替わり、第2班も28日から活動を開始している。熊本に元気を―学生たちの挑戦が始まった。
熊本の学生と交流 復興に向け意見交換
現地入り3日目となった24日には、A、B両チームがそろって熊本校舎を訪問。チャレンジセンター「先端技術コミュニティACOT」のメンバーらと交流会を行った。
学生たちは、活動に参加した動機や熊本県内の現状、復興に向けた活動などについて活発に意見を交換した。交流会は第2班以降も毎回実施され、熊本校舎で活動するさまざまなプロジェクトのメンバーが出席する予定となっている。
(東海大学新聞9月1日号掲載)
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(写真上から)
▼益城町の個人宅を訪ねて歩き、ボランティアへの要望を聞いて回る学生たち。ときには必要性の有無だけでなく、被災後の生活の様子などに話題が及んだ
▼チーム熊本から任されたその日の対象エリアで、巡回する区域について打ち合わせ
▼温泉施設の石垣を補修する学生たち。震災後、立野地区は立ち入りが制限されたこともあって、道にせり出した石や砂利はそのままになっていた
▼阿蘇地域の農家も訪問し、農業の状況や地域の風土、生活について詳しい話を聞いた
▼支援活動への思いを語った