阿蘇実習フィールドを会場に
震災復興への貢献を考える
3月18日に阿蘇実習フィールドで第3回東海大学「農・食・健」QOLセミナー(主催=東海大学、協賛=一般財団法人アグリオープンイノベーション機構)が開かれた。
農業や水産業、食品加工関連業、健康産業などに携わる自治体や企業の担当者に大学の研究成果や知見を発信し、共同研究などのマッチングを図ることを目的としたもの。今回は同日に「実習場A・B」の竣工式が執り行われた阿蘇実習フィールドを会場に、「地域の伝統と風土を活かした『農・食・健』による震災復興への貢献―東海大学農学部・海洋学部のシーズから―」と題して開かれた。
開会にあたり、山田清志学長があいさつを述べ、荒木朋洋九州キャンパス長が新施設の概要を説明。特別プログラム「『阿蘇地域の創造的復興に向けた地域循環共生圏構築に関する協定』に基づく『研究プロジェクト』及び『地域創生プロジェクト』活動状況報告会」では、平野葉一副学長(文学部長)が環境省と熊本県、東海大の三者が結ぶ協定の概要と大学の役割について解説した。
続いて、情報理工学部の長幸平教授が衛星観測やSNSを用いた防災・減災対策を紹介したほか、海洋学部の山田吉彦教授と農学部の木下英樹講師、樫村敦講師が研究事例を報告。農学部が阿蘇地域の風土・文化特性を生かして開発した肉用牛「草原あか牛?eco beef”ASO」の特徴について、学生も講演した。
セミナーを企画・運営した産官学連携推進課の岩森暁課長(工学部教授)は、「県外の人に阿蘇への関心を持ち続けてもらうためにも、観光資源の活用や特産物を用いた新商品の開発といった取り組みは重要。熊本地震からの復興に向けて多くの人が努力を続ける中で、QOLに関するセミナーの開催はとても意義のあるものになった」と振り返った。 ※肩書は当時
(写真上)日ごろの研究成果や、復興へ向けた多様な取り組みが紹介された
(写真下)セミナー後の情報交換会では、南阿蘇村の住民と交流を深めた