2022/7/1
2023年4月の開設に向けて建設が進む、農学部と大学院農学研究科、生物科学研究科(一部)の新校舎「阿蘇くまもと臨空校舎」が、6月16日に報道関係者に先行公開された。16年4月の熊本地震で甚大な被害を受けた農学部の復興に向けて、熊本県益城町の阿蘇くまもと空港に隣接する宇宙情報センター用地内を活用して建てられるもの。新聞社やテレビ局など計10社が、「“CREATIVE-ONE”Village」をテーマにした新施設建設の様子を取材した。
阿蘇くまもと空港の南側に位置する臨空校舎の建設地は、11haの敷地面積を有している。「生きた農の力で、創造的な人材と未来を育む農学部」をコンセプトに、教育・研究エリアと実習エリアを一体化。敷地内には「教育・研究棟」のほか、「食品加工」「栽培」「動物」の各教育実習棟、乳牛舎、豚舎など計31棟が整備される。
これまでに引き続いて、九州キャンパス熊本校舎や阿蘇実習フィールドをはじめ総合大学としてのリソースを活用しながら、知識の修得にとどまらない社会で役立つ実学を展開していく計画となっている。
公開当日は、まず荒木朋洋学長補佐、木之内均九州キャンパス長、岡本智伸農学部長が会見。臨空校舎建設の目的や校舎内の各施設の概要を紹介するとともに、地震からの農学部再建に向けた思いを語った。
木之内キャンパス長は、「熊本県民の皆さまのご理解があり、一部公開できるまでに至りました。来年4月にはかつて阿蘇校舎(現・阿蘇実習フィールド)で行っていた教育・研究と実習が一体となった本学農学部の特徴的な活動を再開します」と力説。岡本学部長は、今年4月から農学部の学科編成が「農学科」「動物科学科」「食生命科学科」となったことに触れ、「県唯一の農学部としての責務を果たすため、講義、研究、実習、地域社会や農家との交流空間が一つになった総合的農学教育研究拠点の形成を目指す。空港に近い立地を生かし、都市と農村、全国、世界とつながることで、広い視野を持つ学生を育てたい」と展望を語った。
続いて岡本学部長の案内で校舎内を公開。各施設の建設現場が紹介された。終了後には山田清志学長が報道陣からの質問に対応。山田学長は、「校舎の建設は進んでいますが、中身の充実が重要。熊本の皆さまのお知恵をお借りしながら教育・研究の充実に向けたさまざまな取り組みを進めていきたい」と話した。