News:付属諸学校
2017年3月1日号
高校生活で芽吹いた才能
付属各校で多彩な活躍 努力実った有終の美

日本一、世界一を目指して仲間とともに練習に励んできた付属高校のアスリートたち。今年度、輝かしい実績を残し、学校法人東海大学の2016年度松前重義賞・スポーツ部門最優秀選手賞に選ばれた選手たちを紹介する。

文武両道で目指すは五輪
付属市原望洋高校陸上競技部 秦野南美選手(3年)

付属市原望洋高校陸上競技部の秦野南美選手(3年)は、昨年7、8月の全国高校総合体育大会400メートルで準優勝し、10月の日本ジュニア選手権大会の同種目では優勝を飾った。

2月4日から11日までオーストラリアで行われた新設の国際大会「ニトロアスレチックス」では、日本代表としてリレー3種目に出走。「初の国際大会で緊張しましたが、チーム唯一の高校生だったので皆さんに親切にしてもらい、楽しんで走れました。各国の選手のレース運びや練習など、何を見ても勉強になった」

今年度、数々の結果を残してきた秦野選手だが、「もともとハードルが専門で、小学校6年生のときには全国大会にも出場した」と振り返る。「母も昔陸上選手だったので、活躍してもなかなか褒めてくれなかった。いつかぎゃふんと言わせてやると思って走っていた」と笑う。中学時代に200メートルを経験し、高校1年時に記録会の400メートルで好タイムをマークしたことで、2年時の秋から本格的に転向した。

実質1年で結果を残すほど熱心に練習に打ち込む一方で、特進クラスに所属しているため、週3日は7時間目まで授業を受け、土曜日も午前中は授業があった。「勉強と部活の両立は大変なこともあった」と語るが、「高校3年間はたくさんのことを経験できた、とても濃密で充実した時間だった」と振り返った。

今後の目標は、「周りから自然と犂萃イ辰燭諭△疲れさま〞と言われるような、応援される選手になりたい」と語る。東京五輪については、「目指していないわけではないけれど、今はまだ目標としては大きすぎる。一つひとつ着実に結果を残して、まずは『五輪が目標』と言えるようになりたい」。

(写真)ニトロアスレチックスではメドレーリレー(200メートル)、4×400メートルリレー、2×300メートルリレーに出場した
 
愛馬に導かれた3年間
付属福岡高校総合部 仁田原知毅選手(3年)

乗馬クラブを営む家庭に生まれた付属福岡高校総合部の仁田原知毅選手(3年)。「小さいころはうまく乗りこなせず、馬が苦手だった」と笑うが、全国区の選手にまで成長したきっかけは、後に相棒となる馬のザローマとの出会いだった。

馬術を続けるか悩んでいた中学3年時、実家の乗馬クラブで対面。「馬の競技ピークは9歳から12歳で、当時ザローマは9歳。自分が高校生になってからの3年間はいちばんいい時期だったし、相性がとてもよかった」と、高校でも続けることを決意した。その後は、練習場所である自宅から近く、部活動として馬術ができる環境を求めて福岡高に入学。進学コースで勉学にも励み、文武両道の高校生活を送った。

最終学年の今年度は、昨年5月のJRA馬事公苑馬術大会のトップスコア競技でアマチュアの大会最高得点で優勝、10月の国民体育大会馬術競技の少年トップスコア競技でも2位に大差をつけて優勝を飾った。トップスコア競技は、難易度に応じて異なる点数がつけられた障害を、規定時間の60秒でどれだけクリアできるかを競うもの。「ザローマは繊細で注意力があり、障害間が狭く難しいコースも小回りを利かせてクリアしてくれた」と振り返る。

「馬術は生き物と一緒に戦うスポーツなので、馬のコンディションが競技の出来を左右します。でもその分、馬に救われることもたくさんある」。目を輝かせながら馬の話をするその表情が、“人馬一体“で駆け抜けた日々を物語っていた。

(写真)高校最後の春休みは、北総乗馬クラブ(千葉県香取市)で武者修行。六段飛越競技で日本記録を持つキャリーズサン(左)など、さまざまなタイプの馬に乗って練習を積んでいる

 
恩師に捧げた日本一
望星高剣道部 渡辺はな選手(3年)
       悪原 賢選手(2016年度春学期卒)


昨年8月に開催された全国高校定時制通信制体育大会剣道大会の団体戦は、東京都の定時制・通信制高校剣道部から選抜された選手でチームを組んで出場する。付属望星高校の渡辺はな選手(3年)は、今年度の女子団体東京都Aチームの大将として優勝に導き、自身も個人で日本一となった。

入部当時は現付属高輪台高校剣道部の種田直孝監督(同校教諭)が指導しており、「たくさん支えられた」と話す。また、「異動後も試合を見てくれていて、女子団体の決勝前には“積み重ねてきた練習も勝ちたいという気持ちも、おまえのほうが上だ“と声をかけても
らい、強い気持ちで試合に臨むことができた」と語った。

種田監督が異動し、昨年4月に島村誠教諭が監督に就任。同大会の個人で優勝、団体でも東京都Aチームの一員として大会2連覇に貢献した悪原賢選手(2016年度春学期卒)は、小学生のころから島村監督が以前勤めていた剣道の防具店を利用していたという。

悪原選手は、「部員の少なさからモチベーションが下がってしまうこともありましたが、島村監督に、“望星高に来てよかった“と思ってほしかった」と、高校最後の大会を前に奮起したと語る。

「練習相手がいることのありがたみを、望星高に来て知った。女子部員や、東京都の代表としてともに戦った他校の選手と一緒に練習したことで、人として成長できたと思う」と、笑顔で充実の高校生活を振り返った。

(写真)引退後も稽古に励む渡辺選手(右)と悪原選手