Column:Interview
2011年10月1日号
新体制で挑む駅伝シーズン
自己管理のできる選手に

陸上競技部駅伝チーム 両角 速監督

今年4月、陸上競技部駅伝チームに東海大学卒業生の両角速監督(体育学部准教授)が就任した。長野県・佐久長聖高校を全国高校駅伝の常連校へ育て上げ、2008年には初優勝にも導いた名将は、母校でどんな指導を展開しているのか。駅伝シーズン開幕を直前に控えた両角監督に迫った。

「大会での成績も大事だが、選手にとっては競技を辞めた後の人生のほうが長い。競技を通して学んだことが将来に生きるように、一人の人間として育てる指導をしていきたい」と就任当初から語っていた両角監督。半年が過ぎた今、高校と大学の指導方法の違いを実感しているという。

「高校生にはきちんと道を示して、厳しく指導する。しかし大学生に同じことをやっていては自立できない。一人ひとりの個性や状態を知り、個別にヒントや目標を与える。怒られて正されるのではなく、自分自身で軌道修正し、自己管理ができるかどうかが、競技力の差につながる」

チーム内の競争心あおるレベル分けした合宿

8月上旬から約2カ月にわたって全国各地で行ってきた夏季合宿では、選手を実力順にAからDまでグループ分けした。練習ではグループごとに設定タイムや距離が異なり、A、Bのみでの選抜合宿なども実施。記録やけがの状態によって、合宿中でもメンバーは随時入れ替えられる。その裏には故障を防ぐと同時に、「勝つためにはお互いが切磋琢磨しなければいけない。チーム内の競争心をあおる狙いもある」という。

「記録が伸びるかどうかは、心構えや、それに合わせてどう生活するかにかかっている。厳しいことから目をそむけて悪しきところで固まる、練習後の自由時間にテレビゲームで遊んでいるようではダメ。 “生活すべてが競技”という考えを持って、体のケアをする、消灯時間には寝る。まずはそういうところからしっかりやらなければ、どんな指導をしても、立派な施設が整っていても、結果は出ません」

両角監督の指導に栗原俊主将(体育学部4年)は、「しっかり走れなければ合宿に連れて行ってもらえない。選手個々に欲も出てきているし、何よりチーム内の緊張感が高まっている」と語る。

練習中、両角監督は声を荒らげることもなく、選手一人ひとりに目を向け、逐一ノートにメモをとる。「合宿を通して力もついてきているが、それは他大学も同じ。3大駅伝すべてで3位以上という目標は簡単ではないけれど、選手たちが決めたことですから。私も一緒に戦うだけです」

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もろずみ・はやし 1966年長野県茅野市生まれ。付属第三高校から東海大へ進学し、4年連続で箱根駅伝出場。実業団でも活躍し、93年にはバンクーバー国際マラソンで優勝するなど、数々の実績を誇る。