学生たちがボランティア 学びを生かした支援を
熊本校舎で経営学部と基盤工学部などの授業が再開された5月16日、「みんな元気そうで安心した」と話すのは、学生会執行委員長の若宮大翔さん(基盤工学部2年)。「地震直後から他校舎の学生会が募金活動をしてくれているのをSNSで見ていたので、とても心強かった」と振り返る。
休講期間中は、多くの学生がボランティア活動に携わった。経営学部観光ビジネス学科の小林寛子教授のゼミに所属する学生たちは、地震の直後から避難所で物資の仕分けや炊き出し、熊本大学と協力して南日本段ボール工業組合が提供する段ボールベッドの組み立てなどを手伝った。
石原美晴さん(経営学部3年)は、「車中泊でエコノミー症候群になっている人も多い。段ボールベッドで少しでも不安が解消されれば」と話す。山下智史さん(同)と三浦周磨さん(同)は、「熊本で学ぶ仲間として、何か力になりたいと思った。これからもその時々に必要とされることをしていきたい」と続けた。
高齢者の部屋の片づけを手伝うボランティアをした岡田善貴さん(同4年)は、「片づけ終わった途端、おばあさんが泣き出して、“一人ではどうしようもなかった。ありがとう”と言ってくれた。役に立ててうれしかった」という。各地でボランティアを担った学生の力は、復興への大きな力となったようだ。
さらに那須安寿佳さん(同3年)は、「熊本城や阿蘇神社などが甚大な被害を受けたのは確かですが、風評被害が起きないように、観光ビジネス学科の学生として何か力になれれば」と話し、基盤工学部医療福祉工学科の溝口恭平さん(2年・東熊祭実行委員長)は、「避難所で活躍している医療従事者を見て、将来の夢がより具体的になった。しっかり勉強したい」と前を見据えていた。
(東海大学新聞6月1日号掲載)
(写真上)避難所となった熊本市立城東小学校の体育館で、救援物資の仕分けなどを担った学生たち。岡田善貴さん(中央)はリーダーとしてボランティアの指揮をとった
(写真下)物資の運搬でも活躍