福岡短期大学の学生有志5人が5月7日、熊本地震によって最大震度7を2度記録した益城町の東海大学宇宙情報センターでボランティア活動に取り組んだ。
同センターは一部損壊があったが、建物自体の安全は確認されている。引率にあたった3人の教職員らと学園史関係の資料を保存している資料庫の片づけ作業に取り組んだ。
「被災した友人もいて、自分たちに何かできることはないかと考えていました。先生方からこの活動を聞いたときには、ぜひ協力したいと答えました」と有村千花さん(国際文化学科2年)。
当日はまず、同センターの大庭康彦技術員の案内のもとで、現地の状況を確認。資料庫に散乱した書類やファイルを段ボール箱に詰め、台車を使って部屋の外へ一度運び出し、地震で移動してしまった本棚を所定の位置へ移動。約120箱分の資料を本棚に戻しやすいように、元あった場所の近くへと3時間以上をかけて運んだ。
引率した岩重將成事務室長は、「受け入れてくださった関係者の皆さんに心から感謝しています。こうした機会を通じ、学生たちにはまず被災地の現状を知ってもらいたい」と語る。 震災後初めて熊本県を訪れた西住優太さん(情報処理学科1年)は、「力になれるか不安でしたが作業を終えた今、わずかではありますが役に立てるとわかりました」と話す。5人は、「何をしてよいかわからず、尻込みしている友人は多い。この経験を共有し、できることをじっくり考えたい」と力強く語った。
(東海大学新聞6月1日号掲載)
(写真)書籍やアルバムなどの資料を段ボールに詰める