News:教育
2020年4月1日号
アジアのリーダーを育成
IAEAと国際スクールを初開催

日本とアジア諸国における原子力の安全利用を担う若手リーダーの育成を目指す短期研修「IAEA国際スクール 原子力・放射線安全リーダーシップ」が、2月17日から28日まで湘南校舎などで開催された。国際原子力機関(IAEA)が2017年度から展開している研修の一つとして日本で初めて開かれたもの。IAEAと東海大学が18年度に締結した「原子力安全教育分野における実施協定」に基づき、東海大と外務省、原子力関連機関で構成されたタスクフォースが企画・運営を担当。日本やインドネシア、マレーシアなどから29人が参加した。

IAEAや企業、医療機関、東海大から派遣された9人の専門家による講義と、日常業務や医療現場で起こる放射線事故を想定した少人数のグループワークを組み合わせて実施。参加者は、行政機関や地域住民、企業の各部門担当者などの役割を疑似的に体験し、事故を未然に防ぐ方法や、異なる意見を集約し安全を維持する方策、安全の質と迅速性のバランスをとることの難しさなどを学んだ。ほかにも、リーダーとしての考え方や適切な振る舞いを磨くワークショップに取り組み、東京電力福島第一原子力発電所と日本原子力研究開発機構の研究所も視察した。

モロッコ出身のセルボーティ・ヤシンさん(日立GEニュークリア・エナジー(株式会社)は、「放射線の安全利用に関する知識を多角的な視点で学び、リーダーとしてのスキルが身についた。会社に戻ってからも、ここで学んだことを共有したい」と成果を語る。また、放射線治療が専門の松元佳嗣助教(東海大学医学部)は、「関係者間での的確なコミュニケーションの難しさ、安全を維持できるチームづくりなどを学んだ研修でした。さまざまなバックグラウンドの人に自らの考えを的確に伝えるスキルも磨けるなど、充実したプログラムだったと感じている」と語った。

国際教育センターの山本佳男所長は、「IAEAとは国内の技術者を対象にした『原子力国際安全基準コース』を13年度から共同で開いており、今回の研修は両者の連携が新たな一歩を踏み出したことを示すもの。今後もこうした研修を定期的に開き、原子力や放射線の安全利用に貢献していく」と話している。

 
(写真上から)
▼ 3月24日に湘南校舎で行われた大学院工学研究科の学位授与でも間隔を開けて着席するなどの対策がとられた
▼ 開講式では来賓から激励の言葉が送られた
▼講義も車座式で行った