News:研究
2020年12月1日号
駿河湾研究の推進につなげる
【海洋学部・大学院海洋学研究科・海洋研究所】
環境保全と国際協力テーマにシンポ


海洋学部と大学院海洋学研究科、海洋研究所が11月20日、静岡市役所清水庁舎でシンポジウム「海洋の環境保全と国際協力」を開催した。地域の自治体や企業などが参加したほか、新型コロナウイルス感染症拡大防止のためオンラインでも配信した。海洋研究所所長の平朝彦教授や、海洋学部の研究者が日ごろの研究成果を披露。静岡市の田辺信宏市長も市と大学の連携による海洋文化都市実現へ期待を語った。

シンポジウムは、日本で唯一海を総合的に学ぶことができる同学部が、海洋環境の保全をはじめとした海洋に関するさまざまな情報を発信することで、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の実現に貢献していこうと企画された。

当日は山田清志学長のあいさつに続いて、静岡市の田辺市長が登壇。「本市では、海洋文化都市というビジョンを掲げ、海洋学部とのパートナーシップで清水港周辺の整備を進めています。清水港・日の出地区への海洋文化施設開設もその一つで、十分な研究ができる学術的にも国際水準の施設を目指している。新型コロナ収束後には、国内外の皆さまに立ち寄っていただき、駿河湾についての知識を得て、体験してもらえるようなものにしたい」と期待を語った。

海洋研究の重要性を熱弁 「人文学部」との連携視野に
プログラムでは、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)前理事長で、今年度から海洋研究所所長に就任した平教授が「人新世の海と地球―地球のスマート管理を目指す」をテーマに基調講演。全地球規模で地質記録が残っている「新しい地質時代」を表す言葉である「人新世」の概念について紹介するとともに、加速度的に変化する地球環境について解説。「温暖化が進んだ地球は、人新世以前の状態には戻らない。その解決には、エネルギーや水利用の効率化の実現、農・畜産・水産業の抜本的改革、今後の人口推移と海洋環境がキーになる」と提言した。

また、「今後、海洋研究所、海洋学部、海洋学研究科で駿河湾総合研究プロジェクトを立ち上げ、海洋立国日本への貢献と人新世を生きる知恵を育み、『駿河湾学』を構築したい。2022年度から清水校舎に開設を計画している人文学部との連携にもつなげていければ」と今後の展望を語った。

後半のパネルディスカッションでは、山田吉彦静岡キャンパス長のコーディネートで、海洋文明学科の脇田和美教授と大久保彩子准教授、環境社会学科の李銀姫准教授が、それぞれの研究活動について紹介した。

 
(写真上)会場では新型コロナ対策を徹底し、入室人数も制限。海洋学部の教員有志によるオンライン配信も行われた
(写真下)パネルディスカッションには女性研究者3人が登壇