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教育

2017/07/01

現代教養科目を新設

東海大学 2018年度カリキュラム改訂
時代に即した「シティズンシップ」を養成
PA型教育の浸透を図る


2018年度に東海大学のカリキュラムが全学的に改訂される( 16 年度に実施した医学部を除く)。その大きな柱となるのが区分Ⅱ「現代教養科目」の新設で、その中に、「基礎教養科目」と「発展教養科目」、「健康スポーツ科目」が設置される=表参照。現状のカリキュラムで区分Ⅱの「文理融合科目」は、区分Ⅴの「自己学修科目」の中に「文理融合副専攻」として移行される。教養科目群を改訂する狙いを、現代教養センターの木村英樹所長と同センター主任の岡田工教授(チャレンジセンター長)に聞いた。



「東海大学は建学以来、『文理融合』を掲げ、09年より『自ら考える力』『集い力』『挑み力』『成し遂げ力』を持った学生の育成に取り組んできました。カリキュラム改訂は、これらに加えて社会の変化に対応し、『パブリック・アチーブメント(PA)型教育』の浸透を図るものです」と木村所長は語る。

東海大では13年度に文部科学省の「地(知)の拠点整備事業」に「To-Collaboプログラムによる全国連動型地域連携の提案」が採択されたことを受け、PA型教育の導入を図ってきた。今回のカリキュラム改訂もその延長線上にあるという。

「人文科学」「社会科学」「自然科学」の3科目で構成される基礎教養科目では、文系理系問わず各学問の基本的な知識と考え方を身につける。

「たとえば“物理学はどのような立場から考えられてきたのか”というような、学問の成り立ちについて抜本的に理解してもらいたい。ものの見方、考え方を学ぶ授業になります」(木村所長)

発展教養科目は、「シティズンシップ」「ボランティア」「地域理解」「国際理解」の4科目で構成され、現代教養センターが中心となって授業内容を検討してきた(「国際理解」は国際教育センターが担当)。

木村所長は、「発展教養科目では、社会とかかわろうとする自発的な意識を高め、公共に資する判断と行動が必要なことを認識してもらいたい。可能な限りグループワークなどの『アクティブ・ラーニング』を取り入れます。そこで積極的に学ぶ姿勢を身につけてほしい」と期待する。

4年間を通じた学びで社会的実践力を養う
基礎教養科目は原則として1年生での履修となるが、PA型教育を2年生以降も継続していくのが区分Ⅴの自己学修科目となる。「文理融合副専攻」の科目群に加え、チャレンジセンターの「プロジェクト実践」や「パブリック・スキル」などの授業が開講される。「PA型教育を通じて、主体的に行動する力や市民としての実践力を育成します」と岡田教授。これらの科目群は既定の単位を修得することで、「社会的実践力副専攻」として認められる。

岡田教授は、「この副専攻はPA実践の場として位置づけています。開講科目の一つである『コーチング実践』では、履修する上級生が、発展教養科目の授業で下級生にアドバイスするといったプログラムも検討しています」と語る。

現代教養センターでは、各校舎・各学部学科の教員らも授業を担うことから、現代教養科目のガイドブックもすでに作成。来年度以降も研修やセミナーなどFD活動を通じて教育内容の充実に努めていくという。

木村所長は、「本学で学ぶ学生たちには、各科目を通じて『社会的実践力』を身につけてもらいたい。授業面でも充実したキャンパスライフを送り、4年間での成長につなげてほしいと考えています」と話している。
KeyWord パブリック・アチーブメント型教育
立場や置かれている状況の異なる市民が社会で共存するためのルールをつくり、環境を整備していく中で、若者が市民性を獲得していくための実践と、これを推進するための学習プログラム。学生らが社会に出て実際に活動し、また地域社会からも学内に市民を迎え入れ、協働して課題解決を目指す。

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