教育
2024/03/01望星丸で北太平洋を巡る「第53回海外研修航海」が2月21日にスタートした。マジュロ(マーシャル諸島共和国)やヤップ(ミクロネシア連邦)などを巡る今年度、研修団をまとめる八木英一郎団長(経営学部教授)と学生長の吉田真依さん(海洋学部4年)、望星丸の上河内信義船長に航海への思いを聞いた。
「なにか」を探す33日間
研修団長 八木英一郎教授
第53回海外研修航海のテーマは「行こう太平洋きっとなにかがある」です。学生たちは航海中、これまでに見たことのない景色や知らない自分と出会うはず。ただ、それぞれの成長につながる「なにか」が、どこにあるのか、いつ見つかるのかは人それぞれ。船内で見つかる人もいるでしょうし、見渡す限りに広がる水平線の先でかけがえのない財産を手にする人もいるでしょう。一つ言えることは、自ら行動しなければ、何も起こらないということです。学生たちには、「研修航海に参加しよう」と意思を持った時点でまず第一歩を踏み出しています。ぜひ航海中にも自ら行動し、自分なりの「なにか」を探し出してもらいたい。
団役員としては全員が安全に帰ってくることが最低限の目標です。そのうえで、学生たちを含めた研修団全員が33日間の航海を終えようとしたときに、「もう終わってしまう」と思えるような航海にしたいですね。研修ですからもちろん「なにか」を学び、培うことこそ大切ですが、楽しむことを忘れずにいてほしい。一生の思い出をつくりながら、笑顔で清水港に戻ってきます。
発想の転換で実りある航海に
海洋調査研修船「望星丸」 上河内信義船長
今回は5年ぶりに海外を訪問することになりますが、望星丸は日ごろから船体の維持、向上はもとより規則に則った訓練も欠かすことなく多様な航海に備えています。
また、長期間の航海を前に乗組員の健康面も万全の備えを図っており、26人全員がコンディションよく航海に臨みます。航行中は安全第一であり、私たち乗組員は裏方として安全運航を保持していく責任がありますが、船内行事では学生さんたちとコミュニケーションを図れればと楽しみにしています。
船内という限られた空間、限られたメンバーで長時間を過ごす学生たちには、「ピンチをチャンスに」という言葉を送ります。船酔いや急な予定変更など航海では何が起きるか分かりません。そんな苦しいときこそ発想を転換してもらいたい。できる限り努力し、工夫を重ねれば自らを変えられるきっかけになるかもしれません。その姿は必ず誰かが見ていて、評価してくれるものです。そうすれば、共に頑張る仲間に出会え、実りある航海にできるはずです。
自主的な行動で貴重な経験を
学生長 吉田真依さん(海洋学部4年)
大学入学当初から、さまざまな学部に所属する学生が集い、交流できる大学独自プログラムの海外研修航海に参加して、貴重な経験を積みたいと思っていました。1、2年次は新型コロナ禍の影響で中止になり、国内航路で再開した昨年度は3年次だったので就職活動の時期と重なり参加を見送りました。海外に向けての航海が復活した今回、満を持して参加を希望しました。
事前研修では各寄港地の調査を進める中で、学生が自主的にグループに分かれて調査を担当する寄港地を割り振り、地形や歴史など、調査した内容をパワーポイントにまとめてきました。研修中には各寄港地到着前に発表時間を設ける予定です。皆が自主的に考えながら行動していて、研修航海に対する学生の高い期待を感じました。
アクティビティや船内イベントなどを全力で楽しみながら、それ以外のやるべきこともしっかりこなそうと、副学生長や総務担当の学生役員で話し合いました。心身ともに健康に過ごして楽しく研修航海を終え、33日間で得られる貴重な経験を来年度以降の生活に生かしたいです。
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