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学生

2011/06/01

岩手県大船渡市三陸町に応急公民館を建設

被災地支援活動の第1弾 設計・施工を学生が担当
チャレンジセンター3・11生活復興支援プロジェクト

チャレンジセンターの特別プロジェクト「3・11生活復興支援プロジェクト」が、大地震による津波で大きな被害を受けた岩手県大船渡市三陸町越喜来(おきらい)泊地区に応急公民館を建設、5月7日に完成式を行った=下写真。総合大学の利点を生かし、被災地の生活再建を支援するための学生、教職員による活動の第1弾として実施したものだ。

今回の応急公民館建設は、泊地区からの要請を受けての活動。同地区も、津波によって多くの家屋や公民館が流失。被災後は使われていなかった高台の牛舎を、仮の災害対策本部としていた。しかし、建物内には打ち合わせなどができるスペースがなく、自治体からの広報なども外壁に掲示せざるを得ない状況だった。

プロジェクトでは、これまで神奈川県の平塚海岸でビーチハウスを建設・運営してきたキャンパスストリートプロジェクト・TCDIチームのメンバーが経験を生かし、中心となって活動を開始。4月上旬に現地を視察した。また、仮設住宅の資材として多く用いられる合板の生産工場が被災し、入手困難な状況となっていることから、角材を組み合わせる「ウッドブロックシステム構法」を工学部建築学科の杉本洋文教授と学生が考案、学生でも建設可能な応急建築物を開発した。建物はロフト付きの木造1階建てで建築面積は26・1平方メートル。復興への願いを込め、山火事で森林が喪失した際に芽を出し、再生させる力を持つ「ドングリ」にちなんで「どんぐりハウス」と名付けた。

企業や地域の協力受け学生11人が現地作業
建築に際しては多くの支援があった。岐阜県揖斐川町の建設会社㈱スギヤマの協力を受け、学生たちが泊まり込みでヒノキの間伐材の加工作業を実施。現地での作業は4月29日から、堀江亮太さん(工学部4年)を現場監督に、11人の学生が参加して行われた。建設現場では連日、同窓会岩手支部や地元住民の協力を得た。

屋根には停電と節電対策として、三洋電機製の太陽電池モジュールを設置。発電した電気をパナソニック製の電気自動車用鉛蓄電池に充電することで、夜間でもLED照明が使えるようにした。壁や屋根には断熱材が入り、居住性にも配慮。またバイオトイレを設置するなど、資源循環型社会に対応する設計となっている。

竣工した7日には、地区住民らと完成式を開き、コミュニティーの新しい拠点の誕生を祝った。同地区の今野貴久雄区長は「温かみのある建物を作っていただき、感謝の気持ちでいっぱい。地区再生の第一歩としてだけでなく、他の地域へのモデルケースとなるよう活用していきたい」と話した。プロデュースチームの学生リーダーを務める下田奈祐さん(同)は「私たちの活動は建物を建てて終わりではありません。今後も現地での復興イベント開催など、多様な形で活動を展開していきます」と話している。

関連記事:公民館建設を通じ学生と住民が心の交流
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「どんぐりハウス」を新宿御苑でモデル展示も
5月20日から22日まで新宿御苑で開催された「第6回ロハスデザイン大賞2011新宿御苑展」で、応急仮設住宅「どんぐりハウス」をモデル展示した=下写真。新宿御苑展は、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを行っているヒト・モノ・コトを表彰することを目的に、最終エントリー作品を展示して各部門の大賞を決定する催し。

展示した応急仮設住宅は、岩手県大船渡市に建設した公民館と同型のもの。堅牢でありながら簡便に建てられる点や、木のぬくもりが安らぎを与える点、震災を受けた東北地方の豊富な森林資源を活用することで、復興・再生・創造という過程において重要な役割を果たせる点などをアピールした。なお、今回展示した「どんぐりハウス」も会期終了後に被災地へ提供、復興に役立てられる。
KeyWord 3・11生活復興支援プロジェクト
東日本大震災の被災地における生活再建のための支援活動を行う特別プロジェクト。チャレンジセンターを学内における学生・教職員のボランティアセンターとして位置づけ、応急建設物などを提供する「応急住宅」、コミュニティー・メディア活動を行う「ライフメディア」、避難生活に必要なケアを行う「コミュニティケア」の3チームを編成し、長期的に活動を展開していく。詳細は「3・11生活復興支援プロジェクト」のホームページhttp://deka.challe.u-tokai.ac.jp/3.11lcp/を参照。

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