News:研究
2021年6月1日号
日本設計工学会でMIR賞
【工学部】砂見准教授
ウェブハンドリング技術を解説

工学部機械工学科の砂見雄太准教授が執筆した記事「ウェブハンドリング技術とその将来展望」が、5月21日にオンラインで開かれた「2021年度日本設計工学会通常総会」で20年度「TheMost Interesting Reading賞」に選ばれた。前年1月から12月末までに同学会誌『設計工学』に掲載された論文以外の記事のうち、一般会員の投票結果をもとに内容が最も興味深いと認められる著者に贈られる。

砂見准教授は、ロール状のフィルムを繰出し、印刷やコーティングなどの加工を施した後に再びロール状に巻き取ることで、比較的薄く柔軟な素材(ウェブ)の大量生産を可能とした「ウェブハンドリング技術(ロール・ツー・ロール)」について解説。製造工程に起きる折れやしわが品質に深刻なダメージを与えることに触れ、その理論モデルを構築し、どのような状況で生じるか予測することが可能になっていると紹介した。

さらに今後、「電子デバイスを印刷によって製造する『プリンティッド・エレクトロニクス(PE)技術』と融合した『ロール・ツー・ロールPE』がモノづくりの主流の座を占めていくことが予想される」とし、低コストで環境にやさしい製造法にシフトしていく一方、「素材がますます薄膜化していく中で不具合を完全に防止する必要がある。(中略)これまでに培ってきたウェブハンドリング技術の一層の高度化が今後の課題」と指摘した。

砂見准教授は、「解説記事による受賞は初めてなのでうれしく思います」と話す。このほど大学発ベンチャー「SUNAMI」を設立し、製品を巻き取る際に発生しやすいしわや歪みなどを予測するシミュレーションソフトの販売なども手がける予定。「企業と共同開発を活発に進めるとともに、学術面でも成果を出したい」と語った。

旭東ダイカストから 大学院生に表彰状

砂見准教授の研究室で、マグネシウムとレアアースを混合し、耐熱性を高めた合金(Mg-RE合金)の加工技術について研究を続ける大学院総合理工学研究科総合理工学専攻の柏原侑輝さんが昨年、国際学会で「Best Student Paper Award」を受賞。これを受け、共同研究に取り組む旭東ダイカスト蠅了蛙江〕代表取締役社長と旭東ダイカストグループの山森一男会長らが4月14日に湘南校舎を訪れ、賞状と共同研究開発費を手渡し激励した。

柏原さんは、「マグネシウム合金は鉄やアルミより軽量なため、車体を軽くして燃費効率を向上させることができ、地球温暖化対策にも貢献できると思います。今後も一歩ずつ研究を深めたい」と意気込んでいる。

 
(写真上)砂見准教授
(写真下)賞状を手に笑顔の柏原さん(右から3人目)ら