News:研究
2021年10月1日号
クラウドファンディングで支援募り
採択課題の研究がスタート

東海大学総合研究機構の「クラウドファンディング型社会発信研究補助計画」にこのほど、2件の研究課題が採択された。

同計画では、学術系クラウドファンディングサイト「academist」を運営するアカデミスト蠅板結したパートナーシップ契約に基づき、学内公募した研究テーマの支援を同サイトで募集。必要経費の半分を獲得した際には残りの費用を同機構が補助するものとして、6月10日から7月29日まで支援を募った。

今回は、文化社会学部アジア学科の山花京子准教授による「古代エジプト人の祈りを、神像の科学的調査から読み解く!」と、工学部生命化学科の三橋弘明准教授による「顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの治療法を開発する!」の2件で支援者を募集。寄付金額の条件を満たしたことで、8月末に採択が決定した。

今後は支援者に対するリターンとして、研究の進捗報告やデータ提供、オンライン成果報告会「アカデミックカフェ」などのイベントが開催される予定。

X線CTスキャンで調査 支援者とともに取り組む

東海大が所蔵する古代エジプトおよび中近東コレクションの一つである「ヒヒ神像」の修復保存方法調査を企画した山花准教授は、支援者へのリターンとしてヒヒ神像の360度透過画像データや研究の様子をまとめたドキュメンタリー動画の配信を予定している。8月には湘南校舎のイメージング研究センターでX線CTスキャンを使い、内部構造や材質を調査した。

ヒヒ神像は、顔と頭上の円盤、手に持つ護符が金属で、胴体と台座は木製、尻尾は布で作られており、全体が彩色されている。「X線CTスキャンにかけたことで、内部構造の精密さや、胴体と台座の木材が違うなど多くの発見がありました。今後は木彫など学内外の専門家に協力を得て、最適な修復方法や作品の歴史的背景を調査していきたい」と語る。

また、山花准教授は研究の過程をTwitter や「academist」の研究紹介ページで随時報告している。「小さな情報でも発信すると反響があり、支援者の方々と一緒に研究に取り組んでいる気持ちでいます。クラウドファンディングは学問を身近に感じてもらういい機会になったと思います」と笑顔を見せた。

 
(写真)X線CTスキャンでヒヒ神像の構造調査に取り組む山花准教授(左)