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学生

2011/08/01

社会福祉学科生が宮城県で支援活動

泥の中から「思い出」を掘り起こし ボランティアの本質に触れる

健康科学部社会福祉学科の学生有志20人が6月25、26日に、東日本大震災の被災地・宮城県亘理町(わたりちょう)で災害ボランティア活動に臨んだ。同町はイチゴが特産の田園地帯だったが、津波で町全体の47%が浸水。それから3カ月半後の被災地で、学生たちが見て触って感じたものは――。

活動のきっかけは、亘理町でボランティアコーディネーターを務めた同学科の妻鹿(めが)ふみ子教授から、授業で現地の様子を聞いたことだった。「どうしたら被災者の力になれるか毎日考えていた。授業で災害ボランティア活動を知り、自分もやりたいと勇気がわいた」とリーダーの伊藤彰馬さん(3年)は言う。学生たちの声を受け、妻鹿教授は同町ボランティアセンターと交渉。受け入れの快諾を得た。

学生たちには初めての災害ボランティアとなることから参加人数を絞り、準備や心構えを学ぶ事前研修を実施。現地までの交通状況などを考慮し、教員や卒業生からの援助を受けて往復に貸し切りバスを使った。「ボランティアに参加できるのは、周囲の理解と協力のおかげ。この感謝は忘れない」と伊藤さん。

学生らは24日深夜、妻鹿教授と岩田香織講師の引率で伊勢原校舎を出発。「夜明け前のサービスエリアで“ボランティア”と張り紙されたバスを何台も見た。僕らと同じ気持ちで被災地に向かう人がこんなにいると思い胸が熱くなった」と伊藤さんは振り返る。

がれきや泥ではなく「思い出」を掘る
翌25日朝5時、亘理町に到着。仮眠と持参の朝食を済ませて長袖・長ズボンに着替え、同センターでゴーグルなどを借り受けた。任せられたのは600坪の個人宅敷地。倒壊の恐れから撤去された家の跡地で、泥に埋もれたがれきを撤去する。「食器や年賀状、学生カバンやプリクラが出てきた。一瞬、ここに住んでいた人たちの日常を目の当たりにした気がした」と晴山有紀子さん(4年)。「それがすべて一瞬で失われたと実感して、ものすごいショックを受けた。自分の目で見た光景や触れた感触を絶対に忘れてはいけない」

学生たちは泥の中からビニールや木材を運び出し、靴や人形、名前の入ったノートなど住人の思い出の品を黙々と掘り起こした。「泥の中から見つけた写真を一緒に片付けていた住人に渡したら、じっと見入っていた。どんな思いだったのか……」と小山まいさん(4年)。誰もが「これは単なる泥かきではない」と感じたという。午後3時に作業は終了。翌日は残念ながら荒天で予定されていた作業は中止となり、一行は帰路についた。


学生たちは7月5日に伊勢原校舎で「亘理町災害ボランティア報告会」を実施。「被災者の温かい気遣いに感動した」「長期的な支援が必要」などの声が相次いだ。妻鹿教授は「目の前のがれきではなく、その背後の人や生活を見ることが大切。その学びを得られたことで意義ある2日間になった」と語った。

同学部では、夏休みに岩手県で1週間のボランティア活動を計画中。他学部からの活動希望者も歓迎している。詳細は岩田講師(iwatakao@is.icc.u-tokai.ac.jp) まで問い合わせを。

 
(写真)イチゴ栽培ビニールハウスの残骸を掘り出す

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