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付属諸学校

2011/11/01

浦安高 約4万羽の折り鶴アートを制作

建学祭で地域の絆を強める

東日本大震災で被害を受けた地元の人たちと仲間を元気づけたい――。付属浦安高校の2年生が10月29日、30日の建学祭に向けて、2.7m×5.4mの「巨大折り鶴アート」の制作に挑んだ。約4万羽の折り鶴で人と人との絆を表現する大作だ。生徒たちが作品に込めた思いとは。

「例年通り建学祭をやっていいのか?」。東日本大震災から2カ月後の5月、2年生の建学祭実行委員会の会議で誰からともなく声が上がった。委員らは顧問の細田裕子教諭に相談し、開催の可否についてのアンケートを実施。「開催するのか、自粛ムードに押されてあきらめてしまうのか。期待と不安を抱えて見守っていました」と細田教諭は振り返る。

「自粛」「実行」「分からない」の3つの選択肢のうち、最多は「実行したい」。生徒からは「地域の人に来ていただき、被災地・浦安を盛り上げたい」「元気の出る企画を見せたい」などの声も寄せられた。アンケートの結果を受け、同委員会では連日熱い議論を展開。委員以外の生徒にも意見を募り、2年生全員で折り鶴を作り、絆をテーマにした巨大アートを制作することに決めた。原画も2年生全員から募集。手塚治虫原作の漫画『火の鳥』をモチーフにした小阪晶さんの案に決定した。

副委員長の加藤笙一朗(そういちろう)さんは、「火の鳥をバックに手が重ね合わされている図柄が、絆や支え合いのイメージにぴったり。何度もよみがえる火の鳥に、震災から皆で元気に立ち直ろうという思いを重ねた」と言う。

地域住民とともに建学祭当日に完成
委員会では教員らの協力を得て、『火の鳥』の著作権の使用許可を交渉。版権を持つ手塚プロダクションからも快諾を得た。

作業は9つある各クラスで分担。原画を9枚のボードに分割して写し取り、赤や青の折り鶴をはりつける位置を色別にマーク。それに従って、接着剤で折り鶴を一つずつはっていく。夏休み明けから色紙で鶴を折り始めたが、最初のころは折り方が分からず、協力しない生徒もいた。一方で、放課後も教室に残って黙々と鶴を折り続ける生徒も。「クラス別に進めていたので全体像が分からず、本当に一つの作品になるのか、運営する僕らでさえ不安を感じたこともあった」と加藤さん。「でも、気づくと2年生全員が折り鶴を作るようになっていた。最後には、各クラスがどんどんまとまっていくのが実感できた」

10月18日、正面玄関前で初めて9枚のボードをはり合わせた。折り鶴の点描画が全容を見せると、集まった生徒からは歓声がわき起こった。完成させずにわざと残した空白部分。その場所に、建学祭に来場した地元の住民に折ってもらった鶴をはり、「絆」を表現する巨大折り鶴アートが完成する。

 
(写真上)9枚のボードを初めて合わせ、「巨大折り鶴アート」が全容を現した(10月18日)
(写真下)下絵になるボードを作る

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