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付属諸学校

2012/04/01

【特集】スポーツや文芸で活躍する生徒たち

新たな目標に向かってステップアップ

新年度が始まる4月。学園の付属校ではこれまでの練習や学びを生かしつつ、新たな目標に向けた生徒たちの挑戦が始まっている。そこで今回は、世界的なスポーツ大会や国内最高峰のレース文芸の全国大会で昨年度大きな成果を残し、それぞれの目標に挑む付属高校生と卒業生の活躍を紹介する。

ペタンクの国際大会で活躍
第三高・平出真結香さん(2年)

“地上のカーリング”と呼ばれる頭脳スポーツ「ペタンク」。フランス発祥の球技で、地面に置いたサークルを起点に、ビュットと呼ばれる的に金属製のボールを投げ合い、相手よりも近づけることで得点を競う。「日本ではマイナー競技(笑)。国際大会で活躍することで、少しでもこの競技の魅力を知ってもらいたい」

日本代表ジュニア世代(16歳以下)のエース格として活躍する付属第三高校(茅野市)の平出真結香さん。昨年度は、団体チーム4人の一員として10月にトルコで開催された世界ジュニア選手権に出場。12月にタイで開催されたアジア選手権ジュニアの部では、日本勢で初めて予選を通過したうえ決勝まで勝ち進み、準優勝の好成績を残した。「まずは予選通過が目標でしたから、まさかここまでできるとは思わなかった。試合が終わるまで、時間も気にならないくらい集中できていたのが大きかったですね」

技術と戦略磨いて目指すは金メダル

競技名の由来である南フランスの方言「ピエ・タンケ」=「両足をそろえて」の状態でボールを持った右手を大きく後ろに振り、体重を一気に前にかける。同時に手首のスナップでスピンをかけ、的や相手のボールを狙う。ボールを投げる高さ、落とす位置の調整はもとより、地面の状態や相手の戦術などを読みながら試合を組み立てる。「相手の得意な距離や技術などの力量を見極めることが重要です。そのうえで、自分が思い描いたプレーができたときがいちばん楽しい」

高度な作戦を実行するためには確かな技術を要する。普段の練習では、とにかくボールを投げ込む。「次の国際大会では予選通過は当然、銀メダルの上を狙いたい。そのためにも練習を重ねていきます」

(写真=家族の影響で9歳から諏訪市ペタンク塾のチームに所属。「性別年齢に関係なく誰でも楽しめるスポーツ。ぜひ一度挑戦してほしい」と話す=上。アジアジュニア決勝では世界王者・タイと対戦した=下)


日本最高峰のレースに挑む
熊本星翔高・石浦諒さん(2年)

「いつか世界的に活躍できる選手になりたい。その日まで練習あるのみです」。付属熊本星翔高校の石浦諒さんは、今年度からモトクロスバイクの国内最高峰・全日本選手権国際A級クラスに挑む。同選手権は年齢や排気量でクラス分けされており、年10戦を開催。上位から順に与えられる獲得ポイントで、ランキングを決定する。

両親とともにレースを観戦したのがきっかけで、5歳からモトクロスを始めた。7歳のときに初出場した全日本選手権のチャイルドクロスクラスで、40人中5位入賞。その後も優勝を重ねた。「未舗装でジャンプ台などが点在する悪路を、自分の技術で攻略する。これが面白くて、はまってしまった。放課後は毎日練習していました」

15歳までの選手が参加するジュニアクラスに10歳で出場したものの、挫折が待っていた。「周回遅れにされるなど、全く歯が立たなかった。それでもあきらめなかったのは、応援してくれる両親や友人がいたから。いつか優勝すると心に決め、練習に打ち込みました」。平日はジムで筋トレに励み、休日は専用コースで走る。努力のかいあって、13歳でジュニアクラスで初の3位に。11年度には九州選手権国際B級クラスで年間総合1位となり、国際A級ライセンス取得の資格を得た。「技術的にはまだまだ未熟です。ライバルとなる先輩たちに学びながら、少しでもうまくなりたい」


ジュニア文学賞でダブル受賞
望洋高
小沢愛恵さん(2011年度卒・文学部1年)
渡邊優花さん(3年)

2月22日に発表された「第4回田辺聖子文学館ジュニア文学賞」の高校生俳句部門で、最優秀賞に輝いた付属望洋高校(市原市)の小沢愛恵さん=写真左。優秀賞には同校の渡邊優花さんが選ばれた。同賞は、中高生の文化活動などに寄与することを目的に同文学館が実施しているもので、今年は小説、エッセイなど6部門に約2万点が応募。そのうち高校生俳句部門2399点の中から最優秀賞1人、優秀賞3人の難関にダブル受賞の快挙となった。

与えられたテーマは「きぼう」。作品は共に、国語科の授業で取り組んだものだ。同校では言葉への興味関心を高めようと、2009年から秋学期の授業に取り入れている。小沢さんは「被災地に 観桜の宴 早く来い」を出品。「避難生活を送っている人たちが、早く家族や友人と花見を楽しめるように」との思いを込めた。4月から文学部日本文学科に進学した小沢さん。「これからも文章表現を磨き、将来は海外で日本語を教えたい」と胸を躍らせている。

渡邊さんの「また一つ 今年もできた もみの山」は、祖父母が作っている米の収穫の喜びを表現。「祖父母が作る作物はおいしくて大好き。放射能の風評被害も心配されたが、お米が作れてよかった」と語る。国語科主任の関口裕司教諭は、「生徒にとって身近な “教科書に”や“涙こぼれる”などの言葉と季語の出会いに気づけば、俳句に近づくことができる。創作の楽しさを知り言葉に関心を持てるよう、今後も力を入れていきたい」と話している。

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