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学生

2012/09/01

3.11生活復興支援プロジェクト

復興への願いを込めた活動を展開

昨年3月に発生した東日本大震災の被災地を支援しようと、昨年度発足したチャレンジセンターの「3.11生活復興支援プロジェクト」が今年度も引き続き活動を続けている。「応急住宅チーム」では、今年3月から岩手県大船渡市三陸町越喜来泊(おきらいとまり)地区の高台移転計画作りに協力。8月には「コミュニティケアチーム」「ライフメディアチーム」がそれぞれ被災地でイベントを実施した。

【どんぐりハウス】泊地区の高台移転計画に協力

「泊地区の高台移転計画作りに協力してほしい」。昨年の東日本大震災に伴う津波で被災した岩手県大船渡市三陸町越喜来泊地区に昨年5月、応急公民館「どんぐりハウス」を建設した「どんぐりハウスチーム」。その後も交流は続き今年3月からは、住民の依頼を受けて新たなまちづくりに協力することになった。学生たちは、プロジェクトアドバイザーの杉本洋文教授(工学部建築学科)の指導のもと、NPO法人アーバンデザイン研究体や芝浦工業大学の作山康教授の研究室とも協力。日本自転車振興会の補助も受けている。
 
大船渡市が作成した転計画案をもとに、南向きに玄関が設けられるなど泊地区の住宅文化や地域の風土を生かした計画を作成。4月28日には地域住民を交えて開催された「泊地区復興まちづくり会議」で提案した。会議に臨んだプロジェクトリーダーの石川雄斗さん(工学部4年)は、「住民の方々の真剣な議論に、早く安住の地に移りたいという切実な願いをひしひしと感じた」と振り返る。プロジェクトではその後も月1回程度開催される委員会で意見交換を重ね、住民の意見を反映しながら計画を修正。景観を守るためのルールや住民にわかりやすく伝えるための模型作り、13戸建設される住宅の設計にも取り組んでいる。

住民が主導となった新しいまちづくり 

さまざまな希望を反映した計画作りに取り組む学生は、「住民の方々の希望を聞くことが何より大切。そしてそれを形にするのが私たちの役割です」(柴田彩花さん・工学部4年)と口をそろえる。杉本教授は、「泊地区の人々が誇りを持って住み続けられる理想郷を共につくる。このプロジェクトは、住宅メーカーや自治体主導のまちづくりとは違う、住民が主体となった新しいモデルづくりでもある」と語る。
 
学生たちは8月25、26日にも委員会に参加。個々の住民に住宅の内装設備の希望や不安要素の聞き取りを行った。「支援活動を通して、建築とは何かについて私たち自身が勉強させてもらっている。子孫にも引き継いでもらえる、そんなまちを一緒につくり上げていきたい」。石川さんは真剣なまなざしで語っていた。

(写真上=7月に開催された泊地区復興まちづくり委員会で議論する学生と住民ら。議論が白熱することもあるが、杉本教授は「その積み重ねが大切」と語る)
(写真下=会議終了後には、毎回模型を作り直して変更点を反映させている)

【ライフメディア】故郷のいまを記録する

子どもたちと力を合わせて映像を作り、絆を深める―。「ライフメディアチーム」が昨年度から岩手県大船渡市で取り組んでいる、「大船渡こどもテレビ局プロジェクト」を8月9日から11日まで同市で実施した。文学部広報メディア学科の学生を中心に構成された同チームでは、被災地に住む子どもたちの目線で復興の道程を記録するとともに、作業を通じて楽しんでもらうことなどを目的に活動を展開してきた。今回は9人の学生が大船渡市在住の小中学生計6人とともに、企画立案、取材、編集に取り組んだ。「全員が昨年度からの経験者。3日間通して楽しそうに取り組んでくれました」と原田汐里さん(文学部1年)。
 
参加者は二手に分かれ、「ふるさと紹介~みんな優しい越喜来を紹介します~」と「大船渡湾に続く3つの川めぐり」と題したVTRを制作。活動拠点となった同市内の互助団体多目的ホール「みんなの家」での収録部分を足して「大船渡こどもテレビ局~わたしたちのふるさとめぐり」という番組を作り上げた。11日には、完成した作品の上映会を「みんなの家」で開催。来場者からは、「子どもたちの表情が生き生きとしている」といった声が聞かれた。メンバーの髙陽晃(たかはるあき)さん(同2年)は、「私たちが普段学んでいることを伝えることが、子どもたちの笑顔につながってうれしい」と充実した表情で話した。

(写真=「ふるさと紹介」では、大船渡市越喜来地区の津波資料館も紹介。「震災にかかわることも、子どもたちから積極的に提案してくれて、考えることも多かった」と小山綾子さん(文学部1年))

【コミュニティケア】ものづくりでみんなに笑顔を

「コミュニティケアチーム」と、情報理工学部コンピュータ応用工学科の浅川毅准教授のゼミの共同イベント「東海大学生と電子工作キットでLEDライトをつくろう!&バーベキュー」が、8月9日に岩手県大船渡市三陸町越喜来泊地区の応急公民館で開催された。被災地の子どもを元気づけようと、情報理工学部の学生有志が昨年も実施した催し。今年は、地域住民のニーズに基づいた活動を目指す同チームと協力した。
 

学生たちは5月ごろから準備を開始。浅川ゼミが開発したマイコンを用いた工作キットを使用するため、同チームのメンバーへ作り方の事前講義を行ったほか、当日のプログラムについて打ち合わせを重ねてから現地入りした。当日は、現地の小学生と保護者約40人が参加し、半田ごてを使ってLEDライトの制作に取り組んだ。情報理工学部4年の森谷耕一さんは、「準備は大変だったけれど、子どもたちの笑顔が見られてよかった」と話す。同チームの小原永成(つねあき)さん(工学部2年)は、「岩手県出身なので、こうして支援活動に参加できてよかった。今後も続けていきたい」と話していた。

(写真上=学生の指導を受けながら、LEDライトを制作)
(写真下=子どもたちに笑顔があふれた)

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