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Interview

2013/10/01

世界柔道60キロ級で初V  

海外勢に無敵の強さを誇る
見据える先は五輪「リオでの金メダルしか考えていない」

男子柔道部 髙藤直寿 選手(体育学部2年)

8月にブラジル・リオデジャネイロで開催された世界柔道選手権大会。60キロ級に出場した髙藤直寿選手(体育学部2年)は、左脚に故障を抱えながらも積極果敢な戦いで勝ち上がり、日本男子では歴代7位の年少記録となる20歳88日で金メダルに輝いた。(小野哲史)

大会3週間前の合宿で左太ももを故障し、状態は決して万全ではなかった。しかし、それを凌駕するモチベーションが髙藤選手を勢いづけた。「全日本の井上康生監督(体育学部講師)に金メダル第1号をささげたかった。また、暗いニュースが続く柔道界に少しでも明るい話題をつくりたかった」と、シニアでの初の大舞台で躍動した。

「決勝戦は世界王者が目の前にちらついて少し硬くなった」と言うものの、全5試合、得意の小内刈りを軸に多彩な技で攻め続けた。東海大男子柔道部の上水研一朗監督(体育学部准教授)も、「他の階級の選手がメダルを取れるかどうかは、初日の髙藤の結果次第だったと思う。プレッシャーのかかる中で、落ち着いていい試合をしてくれた」と高く評価した。

小中高で日本一を経験
近所の道場で指導していた父親の影響で、小学生になって柔道を始めた。2年生のとき、テレビでシドニー五輪を見て、「自分もこの場で活躍したいと漠然と思った」という。5年生から2年連続で全国学年別大会を制して以降、輝かしい戦績がずらりと並ぶ。「練習の雰囲気や環境がよく、軽量級の選手が活躍していた」と感じて進学した付属相模高校中等部や同高校で全国制覇。全日本ジュニアも含め、小中高とすべてのカテゴリーで日本一を経験した。

「毎日、強い先輩に囲まれて練習していたので、同世代の選手には負けない自信があった」。16歳以下の世界カデや20歳以下の世界ジュニア、その他の国際大会でも幾度となく頂点に立ち、大学進学後はグランドスラム3連勝など、快進撃が続いている。ただ、海外勢にはめっぽう強い髙藤選手も、シニアになってから国内大会での優勝はない。「海外の選手は髙藤の素早い動きになかなかついていけないが、日本人はそうしたよさを消してくる」と分析する上水監督。それでも「逆に言えば、まだ伸びしろがあるということ。そこを克服できれば、真のチャンピオンになれる」と期待を込める。

そんな髙藤選手が見据えるのは、今回の世界選手権と同じリオデジャネイロで開催される2016年の夏季五輪だ。「リオでの金メダルしか考えていない。基礎的な体力をつけて技を磨き、どんな逆境にも屈しない精神力をつけていきたい」と今後の課題を語る。

東海大の一員として
もちろん、東海大柔道部の一員であることも自覚している。11月2日に兵庫県尼崎市で開幕する全日本学生柔道体重別団体優勝大会に、東海大は前回王者として臨む。髙藤選手も他大学からマークされることは容易に想像がつくが、「皆で喜びを分かち合いたい」と口にする表情には、自信と充実感があふれていた。

 
たかとう・なおひさ 1993年栃木県生まれ。160㌢。2012年のIJFグランプリシリーズで初優勝して以降、今大会まで国際大会6連勝。世界ランキング2位。

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