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付属諸学校

2018/09/01

多彩なプログラムで才能磨く

【学園オリンピック夏季セミナー】嬬恋で過ごす学びの夏

学校法人東海大学が付属中高生を対象に毎年実施している学園オリンピック夏季セミナーが7月31日から8月5日まで、群馬県・東海大学嬬恋高原研修センターで開催された。6日から8日には湘南校舎などで、学園オリンピックスポーツ大会や高校生徒会会長会議も行われ、生徒たちが日ごろの努力の成果を発揮した。

国語や数学など7部門に分かれて、学園の教育機関の教員が企画した独自のプログラムに挑戦する学園オリンピック夏季セミナー。今年は、全国の付属高校と中等部から審査を突破した156人の生徒たちが嬬恋に集まった。

多彩なプログラムの中には、嬬恋高原の自然を生かした内容も数多く盛り込まれている。

芸術(造形)部門では、センターの敷地内に広がる森林とスズランテープを使った作品づくりに挑戦。23人の生徒が4チームに分かれて、樹木にテープを巻きつけて独自の空間をデザインした。

付属熊本星翔高校の佐伯猛斗さん(3年)は、「空間デザインに興味があるので、地形を生かした作品づくりはとても勉強になりました。毎年異なるプログラムに取り組めるのも学オリの魅力」と話す。付属相模高校の遠藤一さん(2年)は、「先輩たちの発想力はとても参考になりました。日ごろは、ほかの付属校生と交流する機会が少ないので、貴重な経験ができました」と笑顔を見せた。

同プログラムの講評会には、英語部門の生徒や教員も参加。英語部門の生徒たちは、芸術(造形)部門の生徒による作品説明を外国人の教員に英訳したり、教員からの英語の質問を日本語に訳して発表したりしながら作品を見て回った。ボンド・アレキサンダー・龍さん(英語部門・付属札幌高校3年)は、「芸術作品の説明には、日常では使わない英語表現も多い。授業で学べないことなのでとても勉強になりました」と振り返った。自然環境を生かしたフィールドワーク

国語部門では、センターの南東に位置するバラギ湖などを巡りながら俳句を詠む「嬬恋吟行」を実施した。散策の際には、理科部門の藤吉正明教授(教養学部)も加わり、植物や昆虫などを一つひとつ丁寧に説明。生徒たちは、学んだ知識を生かしながら植物の名前などを盛り込んだ句を詠んでいた。

理科部門では白根山周辺の植生物の生態調査や万座温泉の泉質調査を行った。また夜には天体望遠鏡で火星や土星を観察し、付属市原望洋高校の多賀晴生さん(3年)は、「高校では科学部で大好きな物理の実験に力を注いでいます。このセミナーでは、地学や生物学などさまざまな分野について多くの先生から学べるので、知識の幅を広げることができました」と話していた。

仲間との絆も財産 「また来年も嬬恋で」

創造する喜びを感じ、豊かな発想力に磨きをかける知的財産部門では、竹ひごやボール紙などを使ったF1カーで走行距離を争う「東海F1大会」を開催。今年は動力としての輪ゴムの使用が認められなかったため、例年より難易度が上がった。生徒たちは初めこそ頭を抱えていたものの、細く切ったボール紙をひねったり、竹ひごを曲げたりして、材料が持つ反発力を動力にした車体を考案。レースは例年以上の盛り上がりを見せた。

数学部門では画像を判別する人工知能のプログラミングに挑戦。ディベート部門では、「日本はすべての乗用自動車を電気自動車に切り替えるべきか」について生徒たちが熱い議論を展開していた。

5日目の夜には「さよならパーティー」が開かれ、各部門の生徒が成果を発表。その後それぞれの部門に分かれて、教員から全生徒に修了証が授与された。

嬬恋での5泊6日を過ごした生徒たちは一様に充実した表情を見せ、付属高輪台高校の沖野彩里菜さん(国語部門・2年)は、「初めての学オリでしたが、初日に仲よくなった友人たちと協力しながらさまざまなプログラムに取り組むことができました。難しい課題も乗り越えることができたのは仲間たちのおかげ」と笑顔を見せ、相模高中等部の宮崎まどかさん(ディベート部門・3年)は、「昨年度は初参加だったので、ずっと緊張していましたが、今回は高校生の先輩たちと一緒に楽しむことができました。ディベートは、自分の考えを伝えるだけでなく、相手の意見も理解して反論する必要があるので、コミュニケーション能力を伸ばすことにもつながりました。また来年も、嬬恋で仲間と再会したい」と話していた。

(写真上から)
▽芸術(造形)部門と英語部門での合同プログラムも実施
▽センター周辺の植物の生態についても学んだ国語部門
▽理科部門では星空観察や温泉の泉質調査などのフィールドワークを展開
▽手づくりのF1カーで走行距離を競った知的財産部門
▽人工知能のプログラミングに挑戦した数学部門
▽電気自動車について意見をぶつけ合ったディベート部門
 
【スポーツ大会】相模高が競技別最多優勝
学生によるイベント企画も

男子は9種目、女子は7種目の競技が行われたスポーツ大会。猛暑にも負けず、付属高全14校の生徒2068人が熱戦を繰り広げた。他校の監督から指導を受けるなど学園オリンピックならではの光景も見られたが、最終日は台風の影響で屋外競技が中止に。そのため総合順位は決まらなかったが、競技別の成績では、付属相模高校が全付属高最多の男女7種目で優勝した。

また、今回初めての取り組みとして、スポーツ医科学研究所による「Sports Conditioning Seminar 競技力向上に向けたサポート教室」が17号館で開催された。ス
ポーツ選手の競技力向上に必要な「心・技・体」を学ぶ参加型セミナーで、同研究所のスポーツサポートシステムに所属する学生たちが体力測定やステージイベントなどを企画した。

体育学部の高妻容一教授による講習「勝つためのメンタルトレーニング」には、試合の合間を縫って多くの生徒が参加。「ラグビーワールドカップでメンタルトレーニングの重要性を知ったので参加しました。試合前の気持ちのつくり方など、学んだことを実践したい」といった感想が聞かれた。

(写真上)各競技で熱戦が繰り広げられた
(写真下)高妻教授がメンタルトレーニングの活用例を紹介
【Key word】学園オリンピック
学校法人東海大学が学園の中高生を対象に、才能の早期発見と成長支援などを目的に実施している独自の教育プログラム。1964年にスポーツ大会として始まった。夏季セミナーは国語、数学、理科、英語、芸術(造形)、知的財産、ディベートの7部門が行われ、芸術(音楽)部門は5月に湘南校舎で実施されている

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