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学園

2016/06/01

熊本・阿蘇の仲間たちを応援!

学園各地で支援活動続く

同じ学園で学ぶ仲間のために――熊本地震で被災した熊本・阿蘇両校舎と付属熊本星翔高校、付属かもめ幼稚園などを応援しようと、大学の各キャンパスと付属諸学校で支援活動が続いている。学生や生徒の思いを追った。(5月27日記)

【大学】学生が募金を呼びかけ「地元を、同窓生を助けたい」

湘南校舎では、チャレンジセンター「3.11生活復興支援プロジェクト」と学生会の学生らが4月18日から29日まで校舎内で募金を呼びかけ、学校法人東海大学熊本地震義援募金に寄付した。湘南学生会の永井達也会長(工学部4年)は、「熊本学生会のメンバーから、授業が再開したとの知らせを受けて少し安心しました。今後もできることを続けたい」と語った。

代々木学生会は4月19日から校舎内に募金箱を設置。5月17日には代々木学生会の前田剛壮執行委員長(観光学部3年)が、熊本地震義援金の窓口である学校法人東海大学財務部の江間淳二部長(常務理事)に、集まった募金を手渡した。また同日、熊本・阿蘇両校舎に応援メッセージを送ろうと、学生有志が横断幕を作り、写真を撮って東海大学のホームページなどに掲載している。

今年3月の学生会交流で熊本・阿蘇両校舎を訪問した前田さんは、「熊本・阿蘇の仲間へ、応援していく姿勢や気持ちを伝えたいと考えました。多くの方が集まってくれて、学園の絆の深さを再認識した」と話した。

高輪学生会の役員らは4月20日から29日までの昼休みと放課後に校舎内で募金を呼びかけた。中にはアルバイト代を封筒に入れて手渡す学生の姿もあったといい、高輪学生会の山本哲人会長(情報通信学部3年) は、「熊本にはまだ避難所生活を送っている学生もいます。これからもさまざまな形で支援できれば」と話す。

また、5月9日から13日には高輪学生会の呼びかけに応えた学生有志が校舎に近いJR品川駅前でも募金活動を実施。延べ50人以上の学生が駅前を行き交う人々に阿蘇校舎や熊本校舎の被災状況を訴えて支援を募った。就職活動の合間を縫って5日間参加した中本絵理香さん(同4年)は、「多くの義援金を集めることができました。励ましの言葉もいただき、感謝しています」と語った。

清水校舎のライフセービングクラブ「LOCO」のメンバー50人は、4月30日と5月1日に校舎に近い三保松原の周辺と市内の商業施設「清水ドリームプラザ」で募金活動を行った。 主将の硎とぎ谷や大河さん(海洋学部3年)は、「日ごろから人の命を助ける活動をしている。こんなときだからこそ、僕たちにできる形で熊本の人たちを応援したいと考えた」と語る。清水では、学生会も校舎内で募金を行った。

短大生も団結

短期大学部では、「少しでも地元を助けたい」と熊本県出身の学生有志が学生会執行委員会とクラブ連合会に呼びかけ、4月25日から5月21日まで学内に募金箱を設置。

医療技術短期大学では、付属第三高校(現・諏訪高校)出身で医療短大の長野県人会に所属する2年生3人が、「農学部には高校の同級生や先輩がいる。応援したい」と募金箱を手作りした。4月28日に開催された「学生会総会」で、全学生に募金への協力をアピール。リーダーの生澤佑希さんは、「医療短大が一丸となって取り組んでいると感じています。被災した皆さんの助けになればうれしい」と語った。


【付属】「少しでも力になれたら」工夫を凝らし思いを形に

熊本地震を受けて、各付属高校でも被災地支援活動が続いている。「私たちも熊本地震で被災した方々を支援しよう」。付属甲府高校では4月20日に生徒会長の橋本雪さん(3年)が、校内放送を使って生徒に募金活動への参加を呼びかけた。生徒会では21日から28日にまで各クラスに募金箱を設置し、5月9日に学校法人東海大学熊本義援募金に寄付した。 山形高校でも生徒会が中心となって、21日から30日まで全クラスで募金活動を実施、PTA総会でも協力を依頼した。 

集めた募金は、5月18日に現代文明論研修旅行で湘南校舎を訪れた1年生の生徒会メンバーが、川上哲太朗副学長に手渡した。渋間慶子さんは、「何かできないか考え、募金の協力を呼びかけた。学園のために役立ててほしいです」と話した。

山形高ではさらに、2年生34人が選択科目「福祉」の授業の中で支援活動を検討。近隣のスーパーマーケット2店舗の許可を得て、4月21日に店舗前での募金活動を行い、22日に日本赤十字社の熊本地震災害義援金に送金した。

付属浦安高校では27、28日と5月2日の3日間、生徒会の役員ら23人が、登校時間に合わせて正門で募金活動を行った。また、同期間に各クラスでも朝のホームルームの時間に募金を呼びかけた。クラス委員の一人は「今日1日のジュース1本、パン1個を我慢して募金への気持ちにつなげようとクラスで行動を起こした」と話す。

生徒会長の本田拓海さん(3年)は、「学園オリンピックなどさまざまな場面で交流のある仲間や阿蘇校舎に進学した先輩が大きな被害を受けている。小さな活動だが、少しでも助けたいと願う気持ちが遠く離れた熊本の仲間に伝われば」と話している。 

浦安高の生徒会では、中間試験が終了する6月から、JR舞浜駅前などで熊本県への募金を地域住民らに呼びかける予定だ。

菅生高校では、吹奏楽部が5月1日に府中の森芸術劇場ドリームホールで開催されたスプリングコンサートで募金活動を行った。開演前後に来場者に向かって協力を呼びかけ、多数の寄付を受けた。 

また、同中等部では5月の上旬から教職員を対象に、募金活動が始まった。各クラスのホームルームでも実施され、生徒や保護者からの寄付が集まった。これらの募金は学校法人菅生学園から初等部の募金と合わせて、学校法人東海大学熊本義援募金に寄付される。



4月28日には、市原市役所で付属市原望洋高校の黒坂道生校長に同市職員有志からの見舞金が手渡された。

市原市からは、地震直後から同高に、「復興の力になりたい」と問い合わせがあったという。同市役所内には募金箱も設置されており、黒坂校長は、「日ごろから連携して教育活動を行う市原市から力をもらい、本当に感謝している」と話す。見舞金は、学校法人東海大学熊本義援募金に寄付される。

【福岡】宇宙情報センターでボランティア
資料片づけ「できることを」 

福岡短期大学の学生有志5人が5月7日、熊本地震によって最大震度7を2度記録した益城町の東海大学宇宙情報センターでボランティア活動に取り組んだ。 

同センターは一部損壊があったが、建物自体の安全は確認されている。引率にあたった3人の教職員らと学園史関係の資料を保存している資料庫の片づけ作業に取り組んだ。 

「被災した友人もいて、自分たちに何かできることはないかと考えていました。先生方からこの活動を聞いたときには、ぜひ協力したいと答えました」と有村千花さん(国際文化学科2年)。

当日はまず、同センターの大庭康彦技術員の案内のもとで、現地の状況を確認。資料庫に散乱した書類やファイルを段ボール箱に詰め、台車を使って部屋の外へ一度運び出し、地震で移動してしまった本棚を所定の位置へ移動。約120箱分の資料を本棚に戻しやすいように、元あった場所の近くへと3時間以上をかけて運んだ。

引率した岩重將成事務室長は、「受け入れてくださった関係者の皆さんに心から感謝しています。こうした機会を通じ、学生たちにはまず被災地の現状を知ってもらいたい」と語る。 震災後初めて熊本県を訪れた西住優太さん(情報処理学科1年)は、「力になれるか不安でしたが作業を終えた今、わずかではありますが役に立てるとわかりました」と話す。5人は、「何をしてよいかわからず、尻込みしている友人は多い。この経験を共有し、できることをじっくり考えたい」と力強く語った。

【静岡翔洋中・高】卒業生が講演 阿蘇の現状を伝える 
4月26日に付属静岡翔洋高校と同中等部で、熊本地震で被災した石橋健志さん(農学部2年)と村田大和さん(同3年)の講演会が開かれた。

同高の卒業生である石橋さんは熊本から戻ってきた後、「支援活動をしたい」と母校を訪問。高校の教員らから、「全校集会で、生徒に被災地の現状を話してほしい」と依頼を受けた。 事前に、静岡翔洋高の生徒会役員とともに、被害状況を伝える写真を貼ったポスターを製作。当日は同じく卒業生の村田さんも加わり、全校生徒を前に阿蘇の地震発生直後の様子などを説明した。

「自分の住んでいたアパートは崩れてしまった。被災地の様子を皆さんに知ってもらい、協力してほしい」と石橋さん。講演を聞いた生徒は、「人ごとではないとあらためて実感した」と話した。

静岡翔洋高では27、28日に地域連携委員会が中心となって各クラスで募金活動を実施。中等部でも、生徒会と福祉委員会を中心に28日から5月2日まで募金活動を行った。今後、寄付先を検討し、被災地へ届ける予定になっている。

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(写真上から)
▼JR品川駅前の路上で募金を呼びかける高輪校舎の学生たち
▼医療短大の校舎内で募金活動
▼川上副学長にクラスで集めた募金を渡す山形高生徒会役員 
▼登校時間に支援活動を実施した浦安高の生徒たち
▼書籍やアルバムなどの資料を段ボールに詰める

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