Column:Interview
2021年8月1日号
【清水】新種としての発表に期待
未知種とされるクラゲを発見

大学院生物科学研究科の飯田茜さんらの研究グループがこのほど、ベトナムで未知種(新種として登録されていない種)と思われるクラゲを発見。5月27日に、国際学術雑誌『Plankton and Benthos Research』で発表した。

飯田さんは、所属する西川淳教授の研究室の活動の一環で、2018年と19年にベトナムのニャチャンやハイフォンを訪問。現地の研究者や漁業関係者とともにクラゲを採取し、国内で遺伝子解析などを続けてきた。

今回飯田さんが発見したクラゲは、ヒドロ虫綱のBlackfordia属の一種で、世界各地で繁殖が確認されている移入種。ベトナムでは同属の出現が未確認で、採取した個体の触手数はこれまでに報告されているどの種とも一致しなかった。

「文献調査の結果、同数の触手を持つ個体はブラジルやメキシコ、インドでBlackfordia属の一種であるB.virginicaとして記録されていました」と飯田さん。さらなる分析の結果、B.virginicaとは遺伝的に異なる一方、ブラジルで報告されている種と遺伝的に類似していることが判明し、発表した論文では、「ベトナムで発見されたBlackfordiaが未知種である可能性が示唆される」とまとめた。

飯田さんは、「触手数の差異がわかってからは、ワクワクしながら研究を続けてきました。新種として発表できるよう努力していきたい」と語る。指導にあたる西川教授は、「現地での調査でも、活発に活動している姿が印象的でした。現在、ベトナムの関係者らとサンプル個体の提供について準備を進めており、今後さらなる研究成果が発表できると期待しています」と話している。

 
(写真上)「新型コロナ禍でもできる研究活動を続け、成果を残したい」と飯田さん
(写真下)飯田さんが発見したベトナムでは未知種と思われるクラゲ