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2021年10月1日号
【相模高・中柔道部】インハイ&全中で4選手V
中高一貫の強化が実り

8月の全国高校総合体育大会(インターハイ/8〜12日・長野県)で、付属相模高校柔道部の男子66キロ級・服部辰成選手(2年)と同73キロ級・木原慧登選手(1年)が優勝。全国中学校大会(22〜25日・群馬県)では、相模高中等部柔道部の三ツ石恵翔選手(2年)が男子66キロ級を、ナコスティン王未土選手(3年)が同73キロ級を制した。どのように強化を図ってきたのか、好成績の要因を探った。 (取材=小野哲史)

インターハイ史上4人目となる1年生優勝を果たした木原選手と、悲願だった初の日本一をつかんだ服部選手について、相模高柔道部の水落健太監督(相模高教諭)は、「中高一貫の強化が実った成果」と考えている。「2人は相模中柔道部出身。中等部生のときに高橋陸監督(相模中教諭)がしっかり技術を教え、育った選手たちが高校でも結果を出せた」

ただ、2人が突出していたわけではない。同じく相模中出身の81キロ級・天野開斗選手(3年)、高校から相模高に進んだ90キロ級の多田隈隆汰選手(同)と100キロ級の金子竜士選手(同)も3位に食い込んだ。「5人が3位以上に入ったのは長い歴史を誇るインターハイでも初めてでは、と役員の方に言われました。中等部出身の選手と高校から来てくれた選手が、切磋琢磨して力をつけていった」ことに加え、いずれの選手も、大会初日の団体戦で3回戦敗退に終わった悔しさを力に変えた。

“兄たち”の活躍に刺激社会に求められる人間に

相模中の高橋監督は、「兄のような服部や木原が先にインターハイで勝ったことで、心に燃えるものはあったはず」と三ツ石選手とナコスティン選手の優勝を分析する。とはいえ、指導にあたっては日ごろから目の前の勝負を意識させつつも、結果だけを追い求めないようにしているという。

「中学生は勝って自分は強いと勘違いしてしまう子も多い。大切なのは将来。上のカテゴリーで輝く方が競技人生は幸せになると思っています」

中高ともに最大の目標は、団体戦での日本一。そのために技術や体力の向上だけでなく、水落監督の「日本一にふさわしいチームとして優勝することに価値がある」という考えから生活面も重視する。高橋監督は「柔道を通して、社会に必要とされる人間になってほしい」と語る。

水落・高橋両監督体制となって6年目。一昨年までは中高生が一緒に練習する機会もあったが、コロナ禍以降は減少している。それでも相模高・中柔道部は、互いの存在を刺激にしつつ、伝統の強さを維持している。

日本一達成喜びの声
【インターハイV】66キロ級 服部辰成選手(2年)
小学校や中学では全国大会でなかなか最後まで勝ちきれなかったので、寝技や乱取りの練習を多く取り入れ、泥臭い柔道を磨いてきたことが結果につながったと思います。印象深い試合は、延長戦の7分38秒までもつれた準決勝。しんどかったですが、しっかり準備ができて精神的にも安定していたので、粘って競り勝てたのは大きな自信になりました。

【インターハイV】73キロ級 木原慧登選手(1年)
目標の優勝を果たすために、乱取り稽古では自分より重い人と組んで力をつけました。本番は初戦から全国でも名が知れた選手との対戦ばかりでしたが、絶対に気持ちで負けないと思って、1戦1戦勝てたことがよかったです。特に準決勝は先に「技あり」を取った後、相手に攻められた苦しい中で、最後まで気持ちを切らさずに集中して戦えました。

【全中V】66キロ級 三ツ石恵翔選手(2年)
決勝戦は本戦の3分間で負けてもおかしくないくらい押されていましたが、粘り強く戦い、延長戦に入ってから自分の柔道を出せました。徳島県出身ですが、相模の短時間で集中して練習するスタイルが合っていると思い進学しました。木原先輩のように2年生で全中に勝つのが目標だったので、達成できてうれしかった。

【全中V】73キロ級 ナコスティン王未土選手(3年)
全中前の関東中学校大会ではベスト8で負けてしまいました。原因は自分に隙があったから。そこから対戦相手を研究したり、自分の技を磨いたりと、関東の負けを無駄にしないようにしました。もともと腰を持ち合うような接近戦が得意でしたが、それだけでは厳しいので、大内刈りや小外刈りといった足技も練習し、今大会ではその成果も発揮できました。

 
(写真上)日本一に輝いた(左から)ナコスティン選手、木原選手、三ツ石選手、服部選手。“仲のよさ”も今チームの魅力の一つだ
(写真下)高校生が手前、中学生が奥で同じメニューを行う場面も